・・・一言で言うと、
これに尽きます。
いや、バカゲーというより、強引な展開が目立つといったほうが正確か?
そう思えるのは対象年齢の違いからなのかもしれませんが、それは追々。
ストーリー(以下PCではイタリック体で表記)は、
主人公、海藤流想(かいとうるそう)は小学5年生。しかし、その正体は町の黒い影のうごめく事件を暴く正義のドロボー「怪盗ルソー」だったのだ!
そんなある日のこと、彼の住んでいる町に事件が起これば必ず解決するものの、多額の依頼料を請求し相手を困らせる謎の名探偵が現れる。
そんな中、流想のクラスメートがさらわれてしまう。偶然目撃した流想は、この誘拐が謎の名探偵自ら起こしているのを目撃してしまう。
流想は怪盗ルソーになり、彼の秘密を白日の元に晒せるのか?
今日もルソーは町の黒い影のうごめく事件を解決する!
というふう。
ゲームシステムは『変装の名人』でもあるルソーが人物やモノに変装して、色々な人物から聞き込みをしたり、時には難局を打破するために行うのですが、それを下画面(タッチスクリーン)で描いていくわけです。
そのタッチスクリーンの絵ですが、そっくり度合いの認識はかなり大味。ただ、これは対象年齢に対して見ればかなりの合格点。さらに年齢の低い人や絵の苦手な人用にトレースラインが設定されているのも大きい。ストーリーに集中できるのと理不尽なNGが減るのでこれもかなりポイントは高い。
しかし、先回紹介した「プロジェクトハッカー 覚醒(以下覚醒)」同様、タッチスクリーンの認識が足を引っ張っている。特に線を引いたり色を塗ったりする時に「覚醒」の時と同じく、線がスッと横または縦に飛び出したりしてしまうので、修正が大変。時間制限のある時には致命傷になりかねません。
で、話の流れに関しては、やや強引なのが気になる。
普通はオブジェや壁の色になったからバレないなんて、ありえない(爆)。
それゆえか、おバカな流れが鼻についているような気がしてならない。
これも恐らく対象年齢が低めに設定されているからかもしれない。
「覚醒」はどちらかというと大人の思考・鑑賞に耐えられる作りをしているのに対し、この作品は子供(だいたい小学校低学年~中学年くらい?)がメイン。なので、相対的に難易度も低めで作りも楽しければいいというふう。丁度この年頃の見るアニメに近いかも。
ストーリーに関しては、一つの話が、実はある大きな出来事につながるというふうになっており、この点に関しては、「覚醒」に酷似している。どっちが先でという話は水掛け論になるので詳細は避けますが、発売日が近いだけに、対象年齢の違いだけでここまで話の色付けや難易度が違うものなんだなぁとしみじみ。
ところで、難易度は低めと書いてますが、やはり対象年齢に対して難易度が不釣合いなところが・・・。
最初は壁塗り。
ポイントは円を描くように塗るという簡単なものですが、わずか10秒でこの境地を導き出すのは至難の業です。
もう一つは、時計のトリックを利用した『時間稼ぎ』なのですが、これも制限時間が5秒しかなく厳しい。慣れれば余裕でできるんでしょうけど。
それ以外では他の作品を意識している部分があり、少々鼻につく。
例えば、しゃべクリ。あの話し方や持って行きかたは「逆転裁判」のオバチャンだろ(爆)!
ただ、「覚醒」より総じて評価の高い一番大きな部分は、オマケモード。
100人描きみたいなモードもさることながら、サントラモードのデキがいい。シーン毎のシチュエーションを味わいながら音楽をじっくり聴けるので、ゲームの余韻にじっくり浸れます。
「覚醒」同様、個々のブラッシュアップは必要ですが、総じて及第点が与えられるかと。
怪盗ルソー
5040円
主人公海藤流想が怪盗ルソーになって、町の難事件を変装を上手く使って解決していくアドベンチャーゲーム。
作品そのものにやや不条理な部分やタッチスクリーンの認識など改善の必要もあるが、子供向けと割り切ればデキはいいほうの部類に入る。オマケモードは非常に充実&デキがいい。