先日、長野県知事選挙が告知されました。
立候補したのは現県知事で作家・ラジオ番組「バトルトークラジオ・アクセス」のコメンテーターでもある田中康夫氏と元衆議院議員で国家公安委員長を務めた村井 仁氏。
丁度この時は、長野県中南部を中心に被害の出た集中豪雨に端を発した水害の真っ只中。こんな時は知事選の選挙活動やってるヒマないだろう・・・と思ったら、田中氏は一日水害対策に忙殺されていたようです。
対する村井氏は、いわゆる『脱ダム宣言』に対する批判をしていたようです。
今回の争点の中には、『脱ダム宣言』に対する批判というのも争点になってくるのかもしれません。今回の水害はダムや堰(せき)等を作らなかったことによるものだと。
しかし、今回もっと重要視しているのは、田中氏の三選以降ということです。
今回も田中氏の三選は堅いと思います。県民の支持がかつてほどではないのでしょうが高いことと、対抗者が県議会系だけというのがその理由。2人だけで選びにくいのかもしれません(詳しくは後述)が、恐らくそうなるのではと推測しています。
しかし、三選が決まった以降、(確か任期は)4年だったと思いますが、その任期を終えた後、また出ると言い出さないかどうかです。決まってもないのに先の事言うなと思われるのかもしれないのですが、そうなるのではないかと危惧しているからです。
私自身、他県の人間ですが、田中知事を応援していました。何か変わるのではないか?なにかやってくれるのではないか、と。また多選に批判的であったため、そんなに長くはやらないだろうと思っていました。
もしやるなら、この三選までだと思っています。これ以上やるとなると、彼も今までの長野県知事と変わらなかったということになると思います。彼もスターウォーズに出てくるパルパティーン(注:後の帝国皇帝。いち議員から議長になったものの、その後専制政治を働く)に成り下がってしまうのでしょうか?
かつて長野県では、戦後、現知事を合わせて5人ほどしかなっていないといいます。それだけ保守的でパルパティーンのような専制政治が続いていたというふうにも見えます。良くも悪くも日本的な『地盤・看板・カバン』で物事が進められていったのかもしれません。
それを打破し、民意を最大限反映させようとしたのが、田中知事でした。しかし、田中知事も長期政権のひずみが出始めていると思います。議会が田中氏の行動を無視しているからなのかもしれませんが、田中氏も議会にあまり歩み寄りをせず、ある意味専制的な行動をしています。そのためか、かつて田中氏支持を表明していた八十二銀行(長野では有名な地方銀行)の元頭取も今回は田中氏不支持に回っています。
しかしながら、今回選ぶ側も大変厳しい選択になっていると思います。現知事支持に回れば、これからの長期政権に半分GOサインを出したことになりかねないし、逆に対抗馬に指示を回せば、事実上県議会派の勝利となり、かつての『保守的な』政治に逆戻りしかねません。悪く言えば、県議会の傀儡(かいらい)知事というレッテルの中進められることになるでしょう。
今回第三軸が発生しなかったことにより、どちらも選びにくい状況に陥っています。大量の棄権者が出るかもしれません。
長野県の県民の皆様には、これまでのことを熟考して選んでもらいたいものです。