2011年01月24日

いよいよ本格始動 ~名古屋トリプルクラウン選挙~ 中編

名古屋で行われる愛知県知事選挙・名古屋市長選挙・名古屋市議会の解散(リコール)賛否を問う住民投票を3つの王冠に例え、トリプルクラウン選挙と呼ぶ2回目は名古屋市長選挙の話です。
名古屋市長選挙に出馬しているのは以下の通り(届け出順。個人名はここでは伏せる)。


  1. 民主党・社会民主党・国民新党、そして自由民主党愛知県連が推薦推薦している元衆議院議員。

  2. 共産党・革新市政の会が推薦している元参議院議員。

  3. 無所属の元市議会議員(今回新党なごやを結成)。

  4. 元民主党所属の現職市長(注:既に辞任しているものの、新市長就任までは現職として扱う。なお、今回減税日本結成)



このうち、④のみが減税10%と議員報酬半減など行政改革での刷新を訴え、①~③まではその減税による改革には反対しています。
そして①・②は議会の対決ではなく対話による政策実現を大きく掲げています。③に関しては(市民が納得する)議会改革・評価による議員報酬制導入を訴えています。


では詳細を見ていきましょう。


①は名古屋を教育・福祉・医療に税金を投資し、減税には名古屋を維持できないとして反対しています。また議会に関しては市長と議会の二重権力構造から議院内閣制への変革を唱えています。また様々な分野での雇用促進、国際大会や芸能分野(フィルムコミッションなど)への積極投資、名古屋高速のワンコイン化を促していくとしています。
なお、④が愛知県知事と共に掲げている中京都構想には反対し、あくまで名古屋市で実現(都市高速のみ愛知県との共同事業)と権限強化を目指しているということです。

②は基本的に愛知県知事の訴えと同じ。無駄使いの削減・道州制や中京都の反対・リフォーム事業の助成を核に中小企業の雇用の活性化をメインに掲げています。なお、無駄使いの削減には、名古屋城の木造化への反対が明記され、本丸御殿への言及はなされていません
これに加え、市長によって言いなりになる議会運営に反対し、チェック機能としての議会を確立しようと訴えています(ただし住民自治を促せるなら、地域委員会には賛成という立場を取っています)。

③は名古屋の地域活性化に重点を置いています。
若者を中心とした雇用の創出ばかりでなく、芸どころ名古屋の復興を目指すとしています。特徴的なのは、いじめホットラインの設立・市長の給与は400万以下にする・市バスの無料化。
その中で市バスの無料化は減税するうちの2/5でできるとしています。現在名古屋市交通局にある市バス事業。若干の黒字が出ているものの、地下鉄などの事業から切り離して行っていくのでしょうか。またメンテナンスの費用のねん出はどうするのかは全く触れられていません。

④は積極的な減税・議員によって市長自身が蹂躙された議会の定数削減を含めた改革を促すとしています。
また名古屋を魅力的な街にするための政策(歩行者天国の設定・名古屋城の木造化・B級グルメ選手権開催など)を行っていくとしています。なお、愛知万博・COP10開催の経験から、環境都市も併せて目指しています。
さらに国からの自立を目標に、愛知県との連携を深め、中京都構想には賛成を表明しています。さらに関西(大阪都)の連携を図り地方自治時代の確立を目指しています


詳細は、公式サイト内のマニフェストや後日配布される選挙公報、候補者の演説などを見て頂きたいなと。


で、全ての候補者に言えるのは、積極支出による雇用創出という点。ただ、それを財政の中で納めるか否かで大きく分かれると思います。
特に④に関しては借金を借金と思わずにやっていくことを明言しています。つまり首の回るうちは借りるだけ借り、そこから得た資金から返していけばいいという発想だと思います。

議会との関係は、④はどちらかというと大統領制(市長に大きな権力を持たせる)を目指し、①はその逆で現行の国会を目指すとしています。②・③は現状の中での改革に留まるでしょう。


細かなところを見ると、実は共通項はいっぱいあります。しかし、議会と減税で大きく異なるため、そこで迷うのではないかと思います。そしてこれから選出される議員とのセットで考えるという人にとっては、状況によって議会の早期解散を求めたいのではないかと思います。


次回は名古屋市議会の解散の賛否について触れていこうと思います。

Posted by alexey_calvanov at 23:51│Comments(0)TrackBack(0) とっくしゅ~で~す | 真面目なモノ

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