これは一体何なんだというと、1980年代末にアップルコンピュータApple IIから端を発し、他機種のPCやコンシューマーに移植された「プリンスオブペルシャ」で使われたロトスコープという技術の基になる動画を撮影したもの。
この動画を基にして、映像をセル画に描き起こし、それをアニメーションさせるというもので、アニメの動き以上にリアルかつ滑らかになるものの、近年はコンピュータグラフィックスの発達により、手間をかけなくてもこれ以上のものができるようになりました(とはいうものの、モーションキャプチャーを基にして描き起こすものもあるので、ロトスコープが廃れたとも言い切れないものになっています)。
しかも、この動画が驚かされるのは、実はその作品の開発風景だったという点。1985年に制作者が弟をモデルにして弟のフィルムを使って撮影。そこで撮られた映像をゲーム内で利用したというわけです。
ちなみに、この「プリンスオブペルシャ」、制作したのは「バンゲリングベイ」・「カラテカ」を制作したブローダーバンド社所属のジョーダン・メックナーさん(モデルになった弟はデビッド・メックナーさん)。かつてはあまりに難しかった理由でいずれもクソゲー扱いされていますけれども、今は『名誉回復』を受け、非常にストイックながらも噛めば噛むほど味の出てくる名作と言われています。

