2011年07月19日

日中で違う末路

日本でも中国でもケータイ市場は過熱傾向にあります。どちらもスマートフォンへの需要が急増しているのが背景にあります。

その一方で大きく違う動きを見せているのが、PHS中国では小霊通と呼ばれています。
どちらも安さをウリにして展開されていましたが、やはりエリア面とハイグレードなサービスな面で劣勢に立たされました中国の場合は、最盛期には約9350万まで伸ばしたものの、現在は約2000万と最盛期の2割ほどにまで落ち込んでいます。
そのため、中国政府がPHSへの電波の割り当てを注視することを発表し、2012年にはサービスが終了することになっています。
中国政府は今利用している小霊通ユーザーにケータイへの移行を求めているわけですが、一部には反発が起こっています理由は日本でも問題になったナンバーポータビリティ。
日本同様、中国でも小霊通からケータイへのナンバーポータビリティができないため、一から番号を替えないといけなくなります。そのため、ビジネス面で不利なるということで替えたがらない人が続出しているのです。また中国独特なのが、いわゆる「良番」(いい番号の意味。1111など)を高いカネを出して買った人達にとっては、不満の種になっており、補償を求めるケースもあるそうで・・・。


かくいう日本はどうかというと、日本でもウィルコムの破たんをきっかけに、400万もあったPHSもそこをピークに暫時減少をたどり、一時期は370万にまで落ち込み、終了の予感さえ漂っていました

ところが、ウィルコムを支援したソフトバンクが行った施策で状況は一変
「だれとでも定額」という基本料に月額980円のオプション料としてこれに加入すると、ウィルコム間ではかけ放題、他社のケータイを含めた国内通話でも10分以内の通話なら月500回までかけ放題というサービスを開始し、さらに「もう1台キャンペーン」で諸条件をクリアすると新規契約後にもう1台無料で契約できるというサービスも行っています。このサービスは現在最大2台まで増加し、さらに新規契約者への後押しになっています。
これらの施策で、一時期370万まで落ち込んでいた契約者数も2011年の声を聞くと同時にみるみる回復遂に今月400万台に回復したとウィルコムが発表しました(実際400万台を超えるのかどうかは8月初旬に発表されるTCA(電気通信事業者協会)の公表する統計でわかることになるかと)。
東日本大震災で、PHSのインフラの立ち直りが早かったことも話題になりましたが、当時約367万/約20万(全国/東北エリア。2011年2月末時点)なのですから、細かいエリア網があったとはいえ、負荷には十分耐えられる作りだったのではないのでしょうか(ちなみに、ドコモは約5752万/約375万、auは約3273万/約204万、ソフトバンクは約2491万/約115万)。

仮に越えたとしても、ドーピング的な施策である「もう1台キャンペーン」が終わった後、「だれとでも定額」に変えてくれるかどうか正直ここへの変更は相当な苦労をさせられると思います。もはやデータ通信(特にPHSを介したもの)に対しては半ばあきらめともとれる展開を行っているだけに、PHSでの純増はこれ以上苦しいと思います。来年以降、緩やかに利用者の減少を再びたどるのではないかと思います。果ては中国で起こっていることと同じ問題が起こるのではないかと推測しています。

要はウィルコムが『ソフトバンク』という『薬』で延命措置を取っているだけのようにしか思えないのです。そしてソフトバンクは虎視眈々と400万ユーザーを自社のケータイ部門になるソフトバンクモバイルへの移行を促進させていくでしょう。この前例は、auがツーカーユーザーの巻き取りに利用した経緯があるので、決してないとは言い切れないでしょう。


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Posted by alexey_calvanov at 23:20│Comments(0)TrackBack(0) ケータイ系 

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