金融やインターネットといったITメディア事業を行っていたライブドアが、紆余曲折を経て消滅することになったそうです。
とはいっても、会社そのものが消滅するのではなく、社名が消滅するという話。
ライブドアは、現在韓国の会社NHNの子会社NHNジャパンの子会社(NHNから見れば孫会社)として運営されており、検索サイトのNAVER(ネイバー)ジャパンと一緒に来年元旦に吸収合併され、データホテルという会社で運営される予定とのこと。データホテルでは、ライブドアのITメディア・データコンテンツ事業とNAVERジャパンのポータル・検索事業を行うことになるそうです。
ライブドアは、1996年にオン・ザ・エッヂという会社名で設立。その後2004年にライブドアという名称に変更しました。
ライブドアを最も有名にしたのは、設立者でもあるホリエモンこと堀江貴文さん。一時は時代の寵児ということで、ニッポン放送・フジテレビの買収事業やプロ野球の新規参入問題で楽天と共に競合するなど名を馳せていました。堀江さん自身も広島で衆議院議員に立候補したり、宇宙旅行に行くんだと言って世間をお騒がせしていたのは言わずもがな。
ところが、一連のライブドアの不正経理事件(いわゆるライブドア事件)で、会社は勢いを失い、いくつかの子会社は売りに出されたり自立したりしてなくなっていくことになり、しまいには韓国のNHNに買われることになったわけです。同時に堀江さんは受刑者になったのも言わずもがな(苦笑)。
で、もう一つの併合される会社であるNAVERジャパンとは、韓国ではYahoo!やGoogle以上の利用者を誇る検索サービスNAVERを運営する会社の日本法人で、日本でもNAVERという検索サイトを運営しています。今年のオリックスのスポンサーでハンゲーム(これもNHNジャパンの子会社)と一緒になって出てきていたので、ご存知の人も多いでしょう。
これによって、ライブドアという会社は無くなりますが、ライブドアというサービス名は残るとのこと。このブログを運営するライブドアブログも、データホテルという名に変わってもサービスはそのままということで一安心です。
時代に名を馳せた会社が、たった一人のカリスマを失うことで、ここまで脆弱にかつもろくも崩れ去ってしまうのですから、IT産業がいかに砂上の楼閣ないしは手抜き工事の家みたいだったのかがよくわかる出来事でもあります。
しかしながら、同じIT産業のソフトバンクや楽天は今のところ(爆弾は抱えていても、という注釈付で)平穏無事なのは、運営者がまだ堀江さんに比べればマシだったというふうなんでしょうか。
ただ、こういった業界は水ものの要素が強いです。風が別の方向にたなびけば、あっという間に倒れてしまうのですから、こういった企業の経営をしている人達は、風を敏感に掴み取れる能力がないとやっていけないのかもしれません。だから、ここまでやって来れたのかも。
とにかく、新しい会社が軌道に乗ることを切に願うばかりです。