2012年01月16日

くつわ

突然だが、くつわというものをご存じだろうか?


dcb531f4.jpgこれがそのくつわというもの。
もちろん、立派な包装がされているのだが、中身を見てもらうためなのと、デカデカと電話番号が書かれているので少々まずいなと思い敢えて外してある

米粉に砂糖を混ぜ団子状にしたものを、くつわ型にして揚げたもの。ちなみに、くつわとは漢字で『轡』と書き、馬に付けるハミのことを指す。また団子状のままに揚げたものはあがたと言い、こちらが原型とされている。
非常に硬いお菓子で、人によっては噛み砕くのに難儀するのではないかと思われる。

このお菓子、愛知県でも知る人ぞ知るマイナーなお菓子といっても過言ではない。このお菓子を作っているのが現在3軒しかないというのだから、なぜマイナーなのかはそれ以上語ることはないだろう。



ところで、なぜこのお菓子を取り上げたのか?その話は、この先に話すことにしよう。


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先日一緒に働いていた会社の人が亡くなった。
彼は同僚というより、年上の人というのが正確だろうか。
実にあっけない最期だった。私がその話を知ったのは、休み明けの朝だったのだから。


その人は、金曜日の帰宅後から頭痛と歯痛が両方襲ってきて、それらでトイレでしばらく出てこなかったというほどだったそうな。それからどうしたのかは聞いていないが、確実に言えるのは、その日寝てから二度と起きてこなかったということだけだ。奥さんが土曜日の朝ながらあまりにも起きてくるのが遅かったので起こしに行った時には、既に亡くなっていたという。死因は急性心不全とのこと。正確な死亡時間は恐らくわからないのだろう。まだ若く、これからという時の死だった。


金曜日の仕事帰りに何事もなく過ごしている姿を見ているのだから、その死を信じることができないし、いまだにそうなのかということを受け入れがたいというか飲み込めないまま今でも仕事している
というのも、葬式(通夜)は行われているものの、なぜか家に間違った番号が伝わっていたために繋がらなかったため、参列できなかったというのもあるのだろう。死に顔の一つでも見れば、その死を受け入れ納得できるのだろうが、それができないまましばらく過ごすことになるのかもしれない


で、今回取り上げたお菓子が出てくる。

先程紹介したくつわというお菓子、それは愛知県の最西部にある津島市(その中にある津島神社)のもの。そして、今回亡くなった人も津島市の出身だったからだ。

このお菓子は、先述の通り滅多に見かけられるものではない。しかし、私は亡くなる日の前日、ある駅の土産物屋で売ってるのを見ていた普段なら軽く見て流す程度のものなのに、なぜかその日と日曜日の昼に出かけた時に立ち寄った際、何度も見に行っては買おうか買わまいか悩んでいたのだ
結局、その人の死を知るまでは買うことはなかった。今思えば、彼が放った虫の知らせだったのではないかと思うとやるせないもしこれをその時に買っていれば、今とは違う展開を見せていたのだろう。


今回これを買ってきたのは、その人を弔えなかった贖罪の意味もあると思っている。
Posted by alexey_calvanov at 23:59│Comments(0)TrackBack(0) 飲み食い系 | 真面目なモノ

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