2013年02月19日

イギリス人「ウマくても許せん」

どうやらかつてない騒動に陥りそうです。


フランスで製造され、イギリスやアイルランドで販売していた牛肉100%と称した冷凍のラザニアやハンバーグなどの中から馬肉が混入されていた事が発覚したのがそもそもの発端。大規模な回収騒ぎになりました。

普通に考えれば、日本でそんなことが発覚しても、「何でそんなことで騒いでるの?」と思ってしまうかもしれません。しかしながら、イギリスに関して言えば、近代競馬発祥の地という点と古来から馬が犬と同じくらいに身近な存在だったことから、馬を食べるというのがタブー視されていました(ただし、法律では禁止されておらず、一部の商品には元々混在していた)。アイルランドが同じような措置を取ったのも、長い間イギリスの植民地だったことが経緯として挙げられるでしょう。なお、逆にフランスなどヨーロッパ大陸では、馬肉は一般的な肉として売られています
平たく言うなら、日本で競馬や乗馬に関する事業に関わっている人や競馬・乗馬好きに馬肉を出すのがいけないのと同じことで、ノザキの馬肉入りコンビーフを振舞おうものなら、その缶詰ごと投げつけられるというふうに思えばわかりやすいでしょう(苦笑)。

ただ、単純に馬肉が混ざっていただけなら、タブー視している国以外の回収までしないでいいのに、それでもなおヨーロッパ中のスーパーから馬肉入りの可能性のある商品が消えたのかというと、馬肉の中に抗生物質を打っているものがあり、その抗生物質が人間の身体に悪影響を与えかねないということが発覚したからです。


そもそもどうしてそんな粗悪な肉が混ざり拡散したのかというと、EU(ヨーロッパ連合)ゆえの弊害が言ってしかるべき理由でしょう。
フランスの業者が買った馬肉はポーランドやルーマニアから仕入れたものというふうに言われています。そのポーランドはこのことを否定し、ルーマニア産の馬肉が悪いと言いだします。ところが、そのルーマニアでもそんなことはないと真っ向から否定。ただ、恐らくそのあたりから来た馬肉ではないかと言われておりますが、真相はやぶの中・・・というふう。いわばヨーロッパという巨大なエリアゆえに起こったなあなあな体質がそのままヨーロッパ中に伝播させてしまった原因なのではないのかと思います。


今回のケースは入っていてはいけない物質が入っていたがために、回収ということで大きくなっていますが、もし単純に馬肉が混入されていたというふうなら、単純にイギリスとアイルランドの問題で終わっていたとも感じています。
ただ、食のタブーというのは思わぬところで出てくるので、細心の注意を払わないといけません。特に宗教上の理由で食べられない(イスラム・ユダヤなら豚、ヒンズーなら牛)場合は、状況によっては自身も罪に問われかねないので、気を付けなければなりません。


タブーにうるさくない日本人も今回の件でもっと食材に対し注意を払うべきではないかと思います。


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Posted by alexey_calvanov at 23:17│Comments(2)TrackBack(0) 飲み食い系 

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この記事へのコメント
最新情報さん>情報ありがとうございます。
>>ポーランドやルーマニアなどといった原産国ではちゃんと「馬肉」と表示されていた製品を、アイルランドやフランスの加工業者が仕入れて、「牛肉100%」と表示した製品を作って出荷
どうやら、某インターネット百科事典が引用していたニュースを読んでみると、馬肉オンリーだったものでさえも牛肉オンリーと書いていたようで。
日本の食肉偽装に繋がるものを持っていると思えましたね。

>>これは「食品安全性」の問題ではなく、最終製品を製造したアイルランドやフランスの業者による「食品偽装」の問題
まず、この一件は、食品偽装だけではなく、食の安全を意識するきっかけになってくれればと思いますね。
ともすれば、日本以上に厳格だったはずのヨーロッパ諸国では、実際はかなりなあなあだったんじゃないかと思えたほどです。
それに食の安全の可能性が問題視されると思ったのは、ネスレ(日本ではコーヒーやミロが有名ですが)が自社生産のラザニアなどの回収を指示したこともあります。問題ない量だった可能性があるとはいえ、大手食品会社がここまで過敏な動きをするのは食の安全を考慮したものなのではないかとも思えます。
Posted by アレックス at 2013年02月20日 23:43
ポーランドやルーマニアなどといった原産国ではちゃんと「馬肉」と表示されていた製品を、アイルランドやフランスの加工業者が仕入れて、「牛肉100%」と表示した製品を作って出荷したそうです。

イギリスでは馬に使われる薬品で騒いでいる人が大勢いますが、じつは原産国のこの馬肉、もともと食用馬肉できちんとEUの食品基準に沿っていますから安全性には全く問題はありません。

要するにこれは「食品安全性」の問題ではなく、最終製品を製造したアイルランドやフランスの業者による「食品偽装」の問題です。
Posted by 最新情報 at 2013年02月20日 07:01

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