岐阜放送は2013年に十六銀行頭取だった堀江博海さんが岐阜新聞社社長との兼任で就任したものの、十六銀行顧問・岐阜商工会議所会頭にも就いていたことで、『情報統制』が取られるのではないかと懸念した岐阜新聞社社内と岐阜新聞読者によって、わずか4日で共に辞任。その後社長職は空席となっており、以前から岐阜新聞社を牛耳っていた杉山幹夫会長が事実上代表者としてその職を担っていました。そんなこと岐阜放送が岐阜新聞社のグループ企業であるからできることなんですけどね。まぁ、こういう形はほぼ全国の地方新聞社とそこから派生した民間放送局であることですから大して驚きはしないんですが。
新しく就任した森田社長は1983年に入局し、2009年に取締役営業編成局長兼ブランド戦略室長、取締役最高執行責任者(CEO)を経て、今年常務に就任した叩き上げの人。岐阜放送の社内の雰囲気をよく知っていて、かつ岐阜新聞グループを牛耳る杉山さんもよく知っている人だと思われます。
この人事と同時に、村瀬幸雄十六銀行頭取が社外取締役(非常勤)に就任。親会社である岐阜新聞社では、同社取締役名誉会長だった杉山さんが世代交代を図るために取締役を外れ、名誉会長として経営への助言を図っていくとのことです。
意外なことに、民間放送連盟加盟の中では唯一の女性社長なのだそうな。
元々岐阜放送はテレビもラジオも独立局という在京キー局の影響を受けない放送体系のため、こういった柔軟な体制を作る土壌は無いわけではなかったんですけどね。ただ今までは杉山会長が半世紀牛耳っていたので難しかった側面があるだけで。
ちなみに、十六銀行の人間を再度受け入れたというのは、かねてから言われている経営問題が尾を引いているんだなと実感。東海地方では中日新聞の資本が皆無の珍しい放送局(出自が出自なだけに当たり前ではあるが)なので、その存在は貴重ではあります。ただし、名古屋での存在感はラジオ局くらいしかないですけど(しかもかなりマイナー(汗))。

