平成に入ってからは3回目のアニメ化なのね。「平成天才バカボン」(フジテレビ系で放送)と「レレレの天才バカボン」、そして今作なのですが、「レレレの天才バカボン」からテレビ東京系作品になっているとのことで、たぶん私は見ているはず(ギリギリ学生時代の作品(笑))。
実に18年ぶりのアニメ化かつ赤塚不二夫先生没後10年目という節目なので、どうなるのか気になるところです。
あらすじはこう(以下PCではイタリック体で表記)。
18年ぶりのアニメ化に喜ぶバカボン一家と仲間達。しかし、あまりに変わり映えしない映像に怒り心頭のパパは、現代風に変化させただけでなく、自分自身も変わるのだとばかり、整形外科に向かったり、東京都庁に乗り込んだりとやりたい放題を繰り返すのだが・・・。
というふう。
序盤から結構飛ばしていた印象ですね。ものすごくシュールでナンセンスなことばかり起こすのは、作風としては正しいデキではあります。イントロダクションとして機能しているのかと心配にはなるものの、こういうキャラなんだということが示せれば合格なのかと。
ただ、番組を見ていて思ったのは、結構な既視感。どこかで見たような・・・と思った方は、お分かりだと思います。そう、「おそ松くん」に登場する六つ子達などを大人(一部キャラは除くというか、成長しているように見えない(苦笑))にして放送した「おそ松さん」と同じように見えるのね。
思ったのは、「おそ松くん」と「天才バカボン」との作風の違いを分かっていたのかなという部分。あくまで個人的な意見ですけど、「おそ松くん」は基本的にドタバタコメディで、「天才バカボン」は基本的にナンセンスとシュールがメインなんですね。
「おそ松くん」では、基本的に六つ子とイヤミ・チビ太などが絡んで七転八倒のドタバタ劇を起こすという感じなんですね。その中にはシュールな部分とか血を見るようなシーンというのは、あまりないんですよ。
ところが、「天才バカボン」はナンセンスのオンパレードで、バカボンのパパが無茶苦茶なことをやって周囲をひっかき回すというふうで、私は「天才バカボン」の方が好きだなと思うのは、まさにこの部分なんです。
その最たる例は、パパがケチな奴に自分の身体を売ればいいと言って最終的に『ダルマ』にするという現代では絶対掲載できない作品やアニメにもなった手だけの友人の話(姿を見たいと思って友人の家に行くが、中々姿を見せず、最終的にはその家がパパのヤケで火事になり、家からは手だけしか見つからなかったというオチ)。これが「天才バカボン」を語る上で最もわかりやすいものだと思うんです。
しかし、そのナンセンスかつシュールな部分を「おそ松さん」でことごとくやってしまった。ペンペン草も生えないところに「深夜!天才バカボン」をやってしまった。同じような内容なので、私のように既視感を持って見ていた方も多かったのではないのでしょうか。
というわけで、やる順番を間違えたのと本来生きる作品を殺してしまった感がある。「深夜!天才バカボン」という作品を魅力的にするためにかなり苦労することになるのではないかと思うんです。「おそ松さん」と「深夜!天才バカボン」の制作関係者はたぶん違うと思うのですが、そのあたりの意思疎通はどうなってたのでしょうかねぇ・・・。
私が赤塚先生だったら、「「おそ松さん」と同じことをやるな」と激怒して、灰皿をスタッフに投げつけたくなる感じですわ(爆)。<メガドライブから出た「おそ松くんはちゃめちゃ劇場」のエピソードからなんだろうけど、あれはウソらしいぞ(ギャハ)。
非常にもったいない形でのスタートですが、持ち直せるのか?
放送局・放送時間の詳細は、「続きを読む」にて。

