2022年03月29日

ウクライナ侵攻は、ゲームとコンピューターの歴史にとって貴重な資料を灰塵に帰してしまった

ロシア軍のウクライナ侵攻から1ヶ月以上経ちました。ウクライナの東部・北部を中心に戦争状態となり、当初は早期に決着するのではないかと思われたものの、膠着状態になり、ウクライナ軍が一部取り返したところもあるようです。一方で、激しい戦禍に遭ったところもあり、その最たるところがウクライナ南東部にあるマリウポリという港町です。ドネツク炭田が近くにあり、鉄鉱石も採れることから製鉄事業が主な産業にもなっています。
しかし、ウクライナ侵攻では首都キエフ以上の激戦地になり、ロシア軍に包囲された後に一部が制圧されたという情報もあります。その過程で無差別爆撃があり、都市のほぼ全土が焦土と化し、街中にあった劇場も破壊され、1000人以上の犠牲者がいるのではないかと言われています。マリウポリ全体でも5000人の犠牲者がいるとされ、16万人以上が水も食料も電気もガスもない中で過ごしているとも言われています。制圧された地域からは1万6000人ほどの人達が強制移住させられる可能性を秘めているともされ、エスニッククレンジング(民族浄化)の様相を呈しています
ちなみに、この包囲戦を見ていると、リビア内戦の際にカダフィ派(政府軍)に包囲されたミスラタを思い出しますね。あの時も何とか反体制派が持ちこたえたあたりを見るにつけ、似ている部分は多いですね。あそこも製鉄が主産業で、港町でしたし・・・。


そんなマリウポリには、個人が運営しているコンピューター博物館がありました。Club 8-Bitと呼ばれるその博物館は、1950年代~2000年代のコンピューターやゲーム機を2003年~2018年まで集め、収蔵していたのですが、先日の侵攻に伴い、3/25に全て灰塵に帰してしまったとのこと。
収蔵されていたハード・コンピューターは数多く、アップルⅡ・アタリ400・コモドール64といったゲーム機やPCをはじめ、スーパーファミコンやゲームボーイ、ドリームキャストもあったようです。もちろんアーカイブとしてほぼ全てのレトロゲームのソフト動画も残っているようで、旧ソ連諸国の中では随一のコレクションだったと推測できます。往年の姿はこちらで見られますので、是非ともご覧下さい。


現在、デジタルアーカイブとして残そうと動いているようで、募金も公式サイトでできるようです。上手くいくことを期待しております。


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Posted by alexey_calvanov at 23:21│Comments(0) ゲーム系 

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