2022年05月24日

体育座りが全面的に廃止になるかも

床や地面にお尻をつけて、両ひざを曲げて身体の前で抱える姿勢のことを体育座りと言います。地域によっては三角座りや体操座りと言うそうです。実際、体育座りと体操座りは聞いたことがありますね。
体育座りの特徴として背筋をピンと伸ばして座る点とひざを身体の前に抱える点があります。この2つの姿勢が大きな問題になっており、地域によっては体育座り廃止の動きもあるようです。


まず、体育座りがなぜ日本で一般的になったのかというと、戦後に文部省(現在の文部科学省)の出した教育手引きがきっかけと言われています。
1965年に腰を下ろして休む姿勢の一つとして紹介され、整列・前ならえと共に集団行動を秩序よく行うためのものとして例示されています。しかし、この体育座りはあくまで例示されたものの一つであり、強制的に行うような指導はされていないのです。それなのに、文部省の例示として掲載されていたことで『やらなければならない』という雰囲気が起こり、独り歩きしてしまったわけです。


この体育座り、先述の通り背筋をピンと伸ばして座る点とひざを身体の前に抱える点が大きな問題になっています。

まず背筋をピンと伸ばして座る姿勢は、かなり無理を強いられるものになっており、人によっては腰痛を引き起こす原因になっているというのです。なぜかというと、体育座りは背筋を伸ばさない状態だと猫背になってしまい、腰の負担を増す事態になっているそうです。だからといって背筋を伸ばす姿勢はキツいもので、NHKのNEWSWEBで、この体育座りに関する記事が掲載されているのですけど、この記事を作成したディレクターは、その姿勢でいるのに1分が限界だったと書いています。なのに、体育の授業だけでなく、全校集会や運動会など学校行事では必ず座った際には行わさせられる座り方で、しかも長時間その姿勢を強いられれば、腰を痛める可能性が増えてしまってもおかしくないです。ゆえに一部の学校では、長時間に及ぶ場合は座イスを用意する・体育座り以外の座り方(あぐらなど)も可能にするなどの策が練られているそうです。
そしてひざを身体の前に抱える点は、簡単に言えばデリカシーの問題です。体育の授業であれば、体操着に着替えているので問題はないでしょう。しかしスカートをはいた女子にとって、体育座りはスカートの中を覗かれる落ち着かない座り方になり、デリカシーの無い男子の好奇の目に晒される可能性が高くなります。また女性特有の問題でもある生理の面でもこの姿勢が問題視されています。生理痛を悪化させたり経血が漏れるのではないかという指摘もあるからです。


なお、体育座りは廃止すべきかというアンケートでは、約半数が廃止でもいいとした中で、廃止よりかは若干少ないものの、ほぼ同数でわからないという意見もあり、座り方として浸透している(約2割が床に座る姿勢で最も楽と答えている)こともあって、全面廃止は一筋縄ではいかないと思われます。ただ、手引きなどから体育座りの例を出さなくなったり、指導要領で着実に体育座り以外の座り方を推奨するようになれば、将来的には全面的に廃止される可能性もあると思われます。


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Posted by alexey_calvanov at 22:08│Comments(0) スポーツ 

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