FC岐阜、昨日はいわきFCとの一戦になりました。タイトルになっている『魂の息吹(いぶ)くフットボール』とは、いわきが2020年に掲げたチームスローガン「WE PLAY ON~魂の息吹くフットボールで人の心をゆさぶる」から採っています。まさしくその通りのプレースタイルですよ・・・。
さて、先週のホームだったFC今治戦は夢スコ(0-5)で大惨敗。おまけにテゲバジャーロ宮崎戦で動けなくなった柏木陽介選手が大腿二頭筋肉離れのケガだったことも判明し、1ヶ月戦線離脱とのこと。恐らく復帰までにはさらに時間が掛かると思うので、夏場は柏木選手の顔を見られないのではないかと思います。しかし、柏木選手のケガを公表したのは、観客動員を思ってのことなのか?
一方で、いわきの方は前節に宮崎に勝ち、停滞路線をストップさせています。ここで連勝を重ね、J2ライセンスを出したこともあり、一気にJ2にまい進という青写真を描きたいと思っているのでしょうか。いずれにしても、台風の目になっているいわきを止められなければ、J2復帰も難しくなると思います。何としてでも勝つないしは引き分けにでも持ち込みたい相手であります。
この日は、所用のためスタジアムに向かえたのは夕方になってから。その時、バスの停まっているところを見て驚愕。アイツら、選手バスで来てやがる(汗)!
去年もマルヤス岡崎との対戦時に愛知県豊橋市に来た際も、このバスでやって来ています。名古屋~福島の夜行バスがあるのですけど、そのバスは途中宇都宮経由や下道を通るということはあるものの、10時間は平然と掛かるルートなんです。しかも今回は岐阜まで来ているということを考えると、豊橋の時よりも距離は相対的に長くなっていると思われ。ということは、ヤツら文字通り半日(12時間)くらい掛かってやって来ていると思えてなりません。さすがに、この日は泊ったんだろうと思うけど、もし泊まらずに帰還ということになれば、選手バスは夜行バスになるぞ・・・。これはすごくメンタル面で堪える要素なのに、今まで勝ってきてるのだから、末恐ろしい。
日曜ナイトマッチという、いわきから来る人達には悪条件ばかりなのにもかかわらず、まま来ていると思われるアウェイサポーター。
少ないのに、太鼓の音は大迫力。これは恐ろしい。
試合に関して言えば、岐阜は押していたんです。いわきが長距離移動で疲れているのではないかと思ったら、ほぼその通りと言えるようになっていて、やや動きは硬いように感じました。実のところ、いわきに勝てるとすれば、前半に点が取れるかどうかと私は思っていたのです。ここで点を取れないとかなり苦しい展開になるだろうとにらんでいたので、前半に積極的な攻勢を図れなかったのは少々痛いし、少ないチャンスで点が入れられないのも痛かった。サッカーというのはなかなか点の入らないスポーツとはいえ、田中順也選手のヘディングシュートや石津大介選手のシュートが入らなかったのは、何とも・・・。
徐々にウォームアップが終わったかのようないわきのイレブンにチャンスが巡ってきたのは、前半27分。セットプレーで蹴ったシュートがダイレクトに収まってしまって失点に。松本拓也選手も防いではくれたものの、場所が場所だけにあれは苦しいし、審判によってはゴールインされてもおかしくない場所でしたよ。あれを打った日高大選手にはあっぱれ・・・と思ったら、Honda FCに所属していた選手か!やっぱりHonda FCは怖いチームだ。
後半に入ってからは、岐阜といわきの底力が大いに出たとも。岐阜イレブンはスタミナが切れてきたのか点が取れない焦りからなのか、総じて雑なプレーが目立ったのに対し、いわきイレブンは冷静に試合を運び、かつ相手に競り勝てるほどのスタミナが残っていた。早い球の蹴り出しにもあっという間に追い付いてかき出すというシーンを何度も見せられたことか。インターセプトもブロックもことごとく成功。かつシュートやパスもJ3レベルじゃなく、下手したらJ2クラスの鋭さ。これが去年までアマチュアリーグで過ごしていた選手達(ほとんど)なんですよ。尋常じゃない。
後半26(71)分にも再びセットプレーで日高大選手から失点を喰らい、いいところなしで終わるかと思っていた最終盤の後半44(89)分。久しぶりのスタメンだった吉濱遼平選手のセットプレー(コーナーキック)から始まった攻撃は、一旦クリアされるものの、宇賀神友弥選手が取り返し、小山新選手に鋭いパスを回す。受け取った小山選手はクロスを上げ、ペナルティエリアの密集内にいた富樫佑太選手が身体を大きく伸ばし打ったヘディングシュートは、相手キーパーの頭の上を越え、ゴールマウスに吸い込まれました。この1点だけが唯一の救いなのかなと。
その後は、アディショナルタイム7分というチャンスは得たものの、試合運びもいわきは上手かった。相手陣コーナー前で鹿島る(ボールをこまめに回しながら体でブロックする行為)ため、奪いたくとも奪えない。仮に奪っても遠い場所かつ敵の動きは最も疲れている時間帯なのに正確なので、なかなか相手陣内に運べない。
結果的に上手くいわきにあしらわれて終了。追い付けるチャンスも勝てるチャンスもフイにしてしまったかのような試合になりました。
しかし、一番怖かったのが、ゴール裏に選手が来た時。言いたいことは無いかと問うたコールリーダーに何も言わず、フレイレ選手が謝ってと促したかのような挨拶をして去っていく姿にコールリーダーも唖然としていたようです。不気味なくらい静かだったのも印象的ですが、選手とサポーターの間に溝ができたのではないかという思いも生まれましたね。まさかとは思いますけど、コアサポ達のサボタージュが起こらないといいのですけど・・・。
上位との勝ち点差が最大11に離されてしまった中で迎える前半戦最後の戦いギラヴァンツ北九州戦のアウェイ。現在岐阜より下の順位にいますが、前日に行われたガイナーレ鳥取とのアウェイに勝っています。勢い勇んでホーム凱旋となるでしょうから、上位にいる岐阜とはいえ、侮ってはいけません。昨年までJ2にいた相手ですからなおさらです。
ここで離されたら終戦と思っていい試合になるでしょう。絶対に負けられない、この気持ちだけは捨てずに、厳しい状況が続く中でもやってのけるしかないと思い、奮起してほしいものです。