2023年04月22日

ボルテスⅤがリバイバル!

ただし、フィリピンでの話。


1977年に日本では放送され、その翌年にフィリピンで放送された「超電磁マシーン ボルテスⅤ(ファイブ)」5人の登場人物が乗る5人のメカが合体して巨大ロボットになり、宇宙からの侵略者を打ち破る話ですが、宇宙人に殺された母への復讐劇だったり、主人公が敵の宇宙人との混血だったり、はたまた戦っていた相手が異母兄弟だったという衝撃の結末まで描かれた大河ドラマ的な作品としても知られています。子供向けなのに、今見ると結構深い作品なんだな・・・。

この作品が、フィリピンで放送された時、これまでアメリカからの作品しか放送していなかったこともあり、空前のヒットを飛ばし、最高視聴率が58%を叩き出すなど国中で知られる作品となりました。しかしながら、フェルディナンド・マルコス元大統領により突然の放送中止が宣告され、1986年に起こったエドゥサ(ピープルパワー)革命までお蔵入りになっていました。よく言われたのが、マルコス体制への批判からというのがありますけど、子供が堕落してしまったから放送中止にしてほしいという親の願望ともその親の世代が反日感情の高い世代であったため、反日アレルギーの無かった子供世代とのジェネレーションギャップが招いたものという説もささやかれました。実際は政府とのコネが無かったためだということらしいのですが、先述の説もあながち間違っていないようです(ただし、この作品を放送するために革命が起きてマルコス政権が打倒されたのは笑い話レベルらしい)。
その後、1999年に再放送された時は再び熱狂的ブーム(ただし1986年に放送再開された時は冷めたものだったらしい)が起き、主題歌を歌った堀江美都子さんが国賓扱いされるなど大きな話題になったそうです。


その「超電磁マシーン ボルテスⅤ」が実写化(タイトルは「Voltes V Legacy」)され、再放送も含めて2度目のリバイバルを果たすことになりました。4/18に行われた先行上映会では、あまりにマスメディアなどの関係各社が押し掛けたため、2スクリーン体制まで組んだものの、それでも入りきれず、劇場に人があふれかえる有様に。会場内で流れた主題歌(もちろん日本語)も観客が歌い出すという事態にまでなり、昔の日本でアニメ映画が公開された時に、子供達が主題歌を大合唱するあの事態さながらなものになっていたようです。
この実写版を作った監督も、この作品に思い入れがあるようで、涙ながらにこの作品が大好きで、2014年から9年掛けてリメイクしたことを明かしていましたコロナ禍や予算の大幅オーバーにも苦しめられたそうなので、涙ながらになるのは、そのあたりも加味されているでしょうね・・・。
ちなみに実写版は、5/8より全80話という長編ドラマになる予定ですが、皮肉にもこの作品を放送している時の大統領は、あのマルコス元大統領の息子なんですよね・・・。通称(マルコス元大統領の息子という嫌味を込めてなのか)ボンボン・マルコスと呼ばれる方ですけど、さすがに物分かりのいい方だと思いますので、途中で介入して放送中止にはならないと思いたい。ただ、副大統領がドゥテルテ元大統領の娘なのよね・・・。彼女のお父さんが物分かりの悪い方(報道の自由を事実上制限していた方)なので、ちょっと心配ではあります。子供達とオリジナルを熱狂的に見たかつての子供達のために無事最後まで放送してほしいものです。


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Posted by alexey_calvanov at 16:05│Comments(0) アニメ・コミック 

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