FC岐阜、昨日は富山県富山市にある富山県総合運動公園陸上競技場でカターレ富山と戦いました。
富山は、2位との勝ち点差が2、一方で岐阜は同じく10に位置付けています。富山は、この試合を勝てば、2位に付けている鹿児島ユナイテッドFCの状況次第では2位に躍り出ることができます。それゆえに、何としても勝たなければいけない試合でもあるのです。
ところが、そんな富山は前回のホームであるアスルクラロ沼津で逆転負けを喫し、今シーズンのダブルを取られてしまっています。前節のガイナーレ鳥取戦で逆転勝ちをして3位に踏ん張っているというのが現状です。この状況も、富山が何としても勝たないといけない理由でもあるのです。
そこで前回の対戦を見てみると、岐阜は富山にウノゼロで勝っているんですね。ウチにとっても、富山に勝って昇格戦線に食らいつくという意味だけでなく、富山からシーズンダブルを奪取して精神的ダメージを与えるという意味合いもあったのです。
そこで出てきたこのポスター。富山駅にあったものですけど、「借りは年内に返す!!」とあります。
しかし、先述の通り、沼津には逆転負けしています。これは壮大なフラグに違いないとほくそ笑みながら、会場に向かうのでした。
富山のサポーターも、昇格の文字を掲げ、全力で応援・・・と思ったら、その横には、2026年以降に行われる秋春制への明確な反対を掲げていました。クラブ側はどうなのかわからないのですけど、北陸もそれなりに雪深くなるので、やりにくいのは間違いないんだよなぁ・・・。
今回は射水市のコラボデーとなっているのっで、ミスいみずの他にマスコットのムズムズくんがやって来ました。
試合は、昇格に向けて邁進する富山のペースで終始進んでいました。その気迫に押されていたのか、岐阜は全くもって気迫を感じられない。覇気がないのです。富山の堅い守りに攻めあぐねて、あっちにボールを振ったかと思ったら、また元のところに戻って・・・を繰り返す。スピーディーな動きは特に前半鳴りを潜め、いいところがまるでない。だからこそ、前半に起こった失点劇は、富山の華麗なテクニックに翻弄され、縦の素早い動きについていけないという最悪の展開を見せてしまったのです。これは、生地慶充選手が前節でレッドカードをもらい出場停止になってしまったことや宇賀神友弥選手がメンバー外になってしまったなど5人が入れ替わったことも大きく影響しているのでしょうけど、そんな事態になっても勝ち抜けるようにするのが、今年の岐阜の目標じゃなかったのか。天皇杯で清水エスパルスを破ったのは、運がよかっただけじゃないですよね?
そんな重苦しい空気がのしかかる中、後半を境に徐々に自分達のペースを掴み直そうとしている岐阜ではあったものの、相変わらず富山の硬い守備と気迫に飲まれてしまっていた状況でした。
このまま終わるのか・・・と思っていたアディショナルタイム突入直後、丁度後半が終わる頃から、岐阜の同点劇が幕を開けたのです。
藤谷匠選手が持っていた球を庄司悦大選手に預け、庄司選手はロングボールで前線に運びます。左サイドの隅に飛ばしたボールは、この日途中交代で入った和田侑樹選手に。和田選手は再びボールを下げながらも、ほぼ中央にいた田中順也選手に(この時、経路上にいた北龍磨選手は飛んできたボールをスルーしている)。田中選手は狙いすましたように左足を振り抜いたものの、富山のディフェンダーが堅い守りを見せ、跳ね返しました。しかし、そのこぼれ球を待っていた選手がいました。後方に下がっていた村田透馬選手です。冷静に受け取り、田中選手に負けないくらいに右足で大きく振り抜いたシュートは、まるで弾丸のような一閃となり、相手ディフェンス陣をすり抜けて、ゴールマウス右上に突き刺さったのです。富山のサポーターは、「行くな!行くな!入るな!」と思っていたことでしょう。それを揺るがしたシュートが決まった瞬間、先述の一言がなし崩された現実が、大きな悲鳴となって漏れたように感じました。逆に追い付いた岐阜サイドは、狂喜とも取れる歓喜の渦を起こし、残り4分での逆転劇を願ってもいました。
ただ、そうは問屋が卸さない。再びねじを締め直した富山が守り抜き、1-1の引き分けで終わりました。それでも、富山にとっては手痛い引き分けになりました。勝てた試合が直前に持って行かれたのですから・・・。ウチが嫌ってほど経験している展開なんですけどね(ニヤニヤ)。
どちらのチームも勝たなければいけない状況下で、痛み分けになる引き分け。
富山から見ると、2位の鹿児島が勝ったので、勝ち点差が4に広がってしまい、次の試合で追い付くのは不可能になりました。
岐阜に関しては、さらに大きく差が開いてしまい、残り5試合での逆転劇は、かなり難しいものとなりました。勝ち点を最大で15を積み上げられるものの、上位陣が勝つことを考えると、残り試合の半分(この場合7ないしは8)が昇格を狙える勝ち点とにらんでいるので、ほぼ絶望的になったと言えるわけです。
しかも、この試合で村田選手が相手選手との接触で脳震盪を疑われ、交代しています。もうこの時期になると、ケガ無く1年を終わってほしいとさえ思ってしまうんですね。もちろん、余計なカードをもらうような浅はかなプレーも不必要。最後までベストメンバーで挑めるように、奇跡とも言える逆転昇格の可能性を残すためにも、これ以上ケガ人やコンディション不良でベストを出せない状況は勘弁願いたい。
そして、ここで表題の「きのどくな富山」になるわけですけど、共通語で見れば、『気の毒な富山』という文字通りの意味になり、富山を憐れむ見方になるのです。しかし富山弁で見れば、『ありがとう富山』となり、岐阜としても厳しい引き分けではあったものの、勝ち点を得て帰れるため、まだ昇格の望みを繋げてくれた富山に感謝するという嫌味な意味合いにもなるのです(ニヤニヤ)。こんなダブルミーニングなタイトルが付けられるとは思ってなかった(笑)。
次の試合は、ホームでヴァンラーレ八戸戦になります。
3連休の中日、日中での開催になるので、大勢の観客が来場されるのではないかと思われます。恥ずかしいプレーだけはしないように、情けないプレーだけは晒さないように、今回のような最後まであきらめないプレーを長良川でも見せてほしいものです。
なお、スタメシの話は次回に回します。あまりに試合が劇的だったんでね(ニヤニヤ)。
残り試合5。J2昇格への勝ち点差は12。