その運命の試合の相手は、大分トリニータ。ホームのケーズデンキスタジアム水戸で行われました。
同時開催で、徳島ヴォルティスとアウェイで戦うV・ファーレン長崎やFC今治とホームで戦うジェフユナイテッド千葉などの動向を見ながら戦わなければならない中だからなのか、なかなか動かない試合になり、前半の時点では、大量得点を入れ、いわゆるマクリ状態の千葉が優勢の中で後半を迎えました。
後半に入り、ギアを上げた水戸は早々に先制点を加え、一気に大分を畳み掛けるも、堅守の大分を破れなかった中で迎えた後半30(75)分に待望の追加点を挙げ、勝負アリ。試合終了の時点で、水戸は悲願のJ1昇格を掴み取りました。
そして徳島×長崎の試合が、1−1の引き分けに終わったため、水戸はJ2優勝も成し遂げたのです。初優勝と初昇格を同時に成し遂げたのは、J2の歴史を見ても、恐らく初めてのことじゃないかと思います。それだけの偉業を水戸がやってのけたのです。
苦節26年、FC水戸としてスタートし、プリマハムの実業団チームと合併して現在の体制になったチームは、JFLにいる時でも、Jリーグ参入を果たしても、苦労の連続でした。資金ショートに悩まされ、行政(水戸市)の支援が受けられず、観客動員も苦戦して、一時はJリーグのお荷物とまで揶揄されたほどでした。選手達もJリーガーになってもアマチュア同然の体で活動しなければならず、大変苦労されたと伺っています。
それでも少しずつ盛り返しの兆しがあった中で襲い掛かった東日本大震災。スタジアムが被災し、東京電力福島第一原発事故の影響が、水戸にとっては大きな痛手になりました。その中でも、敵味方関係なく広がった支援のおかげで、Jリーグからの借入金も完済し、再び一からスタートできる体制を整えました。
その後は、水戸市との関係が修復され、「ガールズ&パンツァー」をきっかけにファンが急増し、チームも大きく盛り上がりました。
成績面では中々盛り上がれなかったものの、育成に重点を置いたことが功を奏し、徐々に戦力も充実。2018年には複合交流施設で事実上のクラブハウスになるアツマーレが完成したことで、水戸の魅力がJリーグ内に伝わり、移籍選手だけでなく新入団選手も多くやって来るようになりました。
そして今年の快進撃。8連勝で波に乗った時期も、戦力を抜かれ整えた時期に停滞した時もあったものの、最後まで気持ちを切らすことなく、今日の結果に至ったのです。
最後に、カテゴリーがJ1になっても、敢えてこう呼びます。水戸ちゃんは、いつまでも水戸ちゃんです!おめでとうございます!