延岡駅からバスに揺られて1時間半ほど。高千穂駅というバス停にやって来ました。そこから坂ないしは階段を下って行くとあるのが、高千穂駅という建物があります。そう、ここは高千穂鉄道という第三セクターの駅舎なのです。ただし、既に廃線になっているので、いわゆる鉄道遺構となっているわけですが。
着いた時には、本日完売と書かれており、すわもうダメか・・・と思いながらも、ダメもとで受け付けで尋ねてみる。すると、1名くらいなら・・・ということで、ご厚意で乗せてもらえることとなりました。高千穂鉄道の関係者の皆様、本当にありがとうございます。
ということで、乗車券と高千穂鉄道記念資料館の入場券とをセットで買わせて頂きました。なお、それぞれで買うと合計3000円(乗車券2000円・入場券1000円)ですが、セット販売なら500円値引きしてくれます。
その資料館に向かうために乗せてくれたのが、このカート。高千穂鉄道で走っていた列車のカラーリングが施されたこのカートに乗って連れて行ってくれたのです。もちろん歩いてでも行けるくらいの距離なんですが、少しでも早く現地に向かってほしいとの配慮とサービスなんでしょうね。ありがたいことはありがたいんですけど、走る姿をパシャパシャ撮られて少々恥ずかしい(汗)。
その高千穂鉄道、元々は国鉄の高千穂線として運営されていました。しかし、採算が取れない路線として国に認定され、廃線の憂き目に遭いそうだったところをJR九州が引き受けたものの、民営化後すぐに第三セクターとして高千穂鉄道という会社に譲渡されました。第三セクター後も観光列車を走らせるなど風光明媚な路線の風景を生かして収益を上げていたものの、2005年の台風14号に伴う被害が甚大だったため、復旧を断念し廃線(正確には休止)となりました。
その後、地元有志による復活を試みたものの、上手くいかず、2007年には延岡~槇峰の区間を、2008年には槇峰~高千穂の区間をそれぞれ廃線となり、正式に全線廃線となりました。
それでも地元有志の人達は、路線と列車を残し、アトラクションとして復活させました。それが現在も運営されているあまてらす高千穂鉄道なのです。
そんな高千穂鉄道の歴史を綴った高千穂鉄道記念資料館には、当時の券売機が残っています。
もちろん、当時を走った列車も残っています。それが、高千穂鉄道TR-200形気動車です。今でもアトラクション(体験運転)用として動態保存されてるんですよ。
こちらは、高千穂行きの幕の車両。
そして、延岡行きの幕の車両。こちらは、中に入ることができます。
中は、こんなふう。ロングシートと固定式のクロスシートで構成され、運賃箱もモニターも当時のまま残っています。また、子供向けの衣装の貸し出しも行っており、さながら運転士か駅員か・・・といった体験もできますよ。
こちらは、高千穂鉄道記念資料館にあるジオラマ。1年掛かった手作りだそうです。このジオラマは、延岡から高千穂までだけでなく、その先の熊本県阿蘇郡高森町にある高森駅までの風景も描かれています。
ちなみに、高森駅というのは、現在の南阿蘇鉄道の起終点で、南阿蘇鉄道のベースとなった高森線と共に九州横断鉄道の一つとして運営予定だったのです。戦争による中断やトンネル工事中に発生した湧水事故に加え、モータリゼーションが進んだことに伴い、計画は断念されたそうです。
こちらが、グランド・スーパーカート。屋根の無いトロッコ列車です。そのため、雨や雪の際には傘を差したくなりますが、ダメなので注意。これに乗って、天岩戸駅を経由して高千穂橋梁まで向かいます。
道中では、いくつかのトンネルを抜ける際に、車内から発するライトによる幻想的なシーンを拝むことができます。
風光明媚な景色ですね。写真中央に写っているのは、国道218号に掛かる雲海橋。文字通り、この辺りは、時期によっては雲海に覆われるとのこと。
先程も言いましたが、このアトラクションは、途中天岩戸駅を通ります。この駅は、天岩戸神社の最寄り駅として設置されていました。当時の時刻表が、そのまま残っています。なお、入場禁止になっているので、近くに来ても入れません。
ちょっと暗くなってしまっていますけど、雲海橋が大きく見えたので、パチリ。
こちらが高千穂橋梁。岩戸川に掛る鉄橋です。先程の雲海橋の写真も、そこから撮りました。ただ、強風がよくふくとのことなので、風速15m/h以上の場合は、橋梁に入らずに折り返し運転となるそうです。そのため、入口には柵が施されています。ここでしばらく停車し、乗務員がシャボン玉を飛ばして、幻想的な風景を演出してくれます。
このグランド・スーパーカートは、2人体制で運転されており、1人はガイド役となっております。確か行きの運転手・帰りの運転手というふうな役割じゃなかったかしら。
なお、62人乗っていたそうですけど、日本人は1/3程度で、残りはインバウンド客という構成でした。彼らは、どこでここを知ったんだろう・・・。
往復30分ほどの短い旅ではありますが、十分楽しませてくれました。行った時期が非常によく、紅葉も楽しめますよとのこと。確かに、まだ色付きは悪かったけど、紅葉も見られました。もう数週間先なら、きれいな赤色や黄色の紅葉が鮮やかに見られたでしょうね。冬になれば、雪景色も楽しめることでしょう。九州とはいえ、高千穂のあたりは標高が高いので、まま雪が積もるのよね。
無事に堪能でき、後は帰るだけ・・・でしたけど、そこで運を使い果たしたようで、高千穂バスターミナルからやって来るバスは既に満席で、終点の延岡駅までず~っと立たされるのであった(大泣)。
次回は、再び延岡駅から。