平日、しかも昼間の開催になったのは、まずFC大阪の会場になっている花園ラグビー場が、この日にラグビーのプロリーグであるジャパンラグビーリーグワンが開催される予定があり、土日に関しては別のイベントで貸し出しされることとなっていました。そのため、過去に開催実績があり、賃借料の安かった(と思われる)和歌山県立紀三井寺公園陸上競技場になったのでしょう。
日中開催になったのは、照明の使用料をケチるためとか、照明がJ基準に達していなかったとか、群馬の移動が日帰りの設定になっていたからなど様々な理由が挙がっていますけど、詳細は不明です。
そんな会場には374人来場していました。まさか、この試合がJリーグの歴史に残るかもしれないとんでもないものになったことを目撃した証人となるなんて・・・。
その歴史に残るかもしれない事態になった試合は、前半は群馬のペースで進み、前半終了時点で0-2となっていました。
このまま進んでいくのかと思いきや、FC大阪が後半からメンバー交代を行いながら反撃に出て、それが実り、一旦は同点に追い付きます。
しかし、アディショナルタイムに突入直後、群馬が勝ち越しの一撃を浴びせ、これで勝ったと群馬の選手・監督・スタッフ・ファン・サポーターが一同に沸いていました。
そのアディショナルタイム直後に挙げた群馬の逆転弾から始まるFC大阪にとっては「紀三井寺の奇跡」、群馬にとっては「紀三井寺の悲劇」と呼んでもおかしくないドラマチックな展開が起こったのです。
群馬の逆転後、センターサークルでFC大阪のキックオフから再開。時間が無いことから、ロングボールと空中戦になっていった中、群馬の選手が蹴り出したはずの球が、たまたまFC大阪の選手の前に落ち、大きく前に蹴り出すと、これまた偶然なのか、群馬の守備陣がいないスポット的なところに落ちます。スペースに落ちた球を駆け上がった途中出場の西村真祈(まさき)選手がカットインする格好で蹴り込み、これが入ってしまいます。同点に追い付いて沸き上がるFC大阪の陣営。しかし、まだあくまで同点に追い付いただけなので、そこまで大きく沸いたわけではありませんでした。
お互い時間が無いので、すぐにゲーム再開。群馬のキックオフで始まったはずが、なぜかFC大阪のボールに。巧みに群馬の守備をかわし、右端から大きくクロスを蹴り出すと、また西村真祈選手が今度は頭で合わせて叩き込み大逆転!今度は、FC大阪の選手・監督・スタッフ・ファン・サポーターが一同に沸いていました。一方で群馬のゴールキーパーは、呆然していて何が起こったのかよくわかっていないようにも思えました。
その後、アディショナルタイムの4分を過ぎても(2ゴールあったことから、その時間を差し引いているので)終わらないものの、FC大阪は群馬の猛攻をしのぎ、4-3で逆転勝利。群馬は、今シーズン初のアウェイ勝利をわずか3分の間のプレーで逃すこととなりました。
2025年4月現在、首位に立つFC大阪の粘り強さを物語る試合にもなり、昨年までJ2にいた群馬でも気を抜けば一気に落ちるところまで落ちるということを物語ることにもなった試合でもありました。こんなすごい試合が、平日の昼間に行われていただなんて、何とももったいない気がしますけど、今ならDAZNやLeminoで見ようと思えば見られる。いい時代になったものです。

