2016年08月30日

ルーシーは転落死だった

およそ320万年前に生息していたとされる類人猿(アウストラロピテクス・アファレンシス)「ルーシー」。1974年にエチオピアで発見され、人類最古の化石の一つとされています。世界史などの授業で見たという人も多いことでしょう。

二足歩行のできる女性とされ、身長は105cm・体重は25kg、死亡時の推定年齢は20~30代ということまではわかっていました。


ところが、最近CTスキャンなどで化石をスキャニングした結果、「ルーシー」の死因が明らかになったのです。
その死因は衝撃的なもので、何と11mほどの高さから落ちて死んだというもの。すなわち転落死だったのです。
「ルーシー」はあばらなど上半身の骨が粉々になっていただけでなく、骨盤にも骨折の跡があったため、落下によるものではないかと推測垂直に地面から落ち、その後前のめりになって倒れた(腕・胸・頭を打ち付けた)際にあばらなどが折れ、その骨が内蔵に刺さり、それが死に繋がる致命傷になったのではないかと結論付けました。なお、残っていた傷の状況から、付いた傷は死の直前にできたものということもわかっています。


皮肉なことに、二足歩行や地上での生活ができるようになったことで木登りの能力が落ちて、このような悲劇を生んだとも言えるのですが、逆に(特に夜間など敵のいない間に)まだ木々を移動することがあったことを立証することにもなったのです。


たった1人の人類の祖先の骨ではありますが、ここまでわかるようになったんですねぇ・・・。少し感慨深いですわ。


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Posted by alexey_calvanov at 23:06Comments(0)TrackBack(0)