来年(2012年)の夏にNTTドコモ(以下ドコモ)からiPhoneシリーズを出すことでアップルと基本合意したという報道がなされたからです。
iPhoneはこれまで初代から4Sまで5台登場したスマートフォンで、ケータイ業界に一大センセーションと一大革命を起こしたとされている機種でもあります。アメリカではもちろん日本でも大人気で、世界中で発売されている機種でもあります。中国ではわいろの材料に使われているとか(苦笑)。
そのiPhoneシリーズ、日本では4まではソフトバンクの独占販売だったのですが、今回と同じように日本経済新聞が4Sからはau(KDDI)からも出しまっせとすっぱ抜いたために、マジかガセかで大騒ぎ。実際auからも発売されることが判明したため、今年最大のスクープとさえ評されるものになったんじゃないかとちょっと持ち上げてみた(笑)。
実際は選択肢が増えたということで、双方に益があったんじゃないかという話もありますが、ここで割りを食ったのがドコモ。Androidを中心としたスマートフォンと広いエリアで着実に増やしていましたが、ソフトバンク・auがiPhone販売でさらにシェアを伸ばしたことから、ドコモとしても危機感が募ってきたのでしょう。
そんな中で今回発表されたこの記事。再びマジかガセかで大騒ぎになっています。
ところで、なぜドコモでいち早くiPhoneが出なかったのでしょうか?その答えは意外に身近にあります。それはiモードというドコモ独自のWebシステム。
iモードは1999年に開始されたケータイに仕様を合わせたウェブとメールが行えるサービスで、メールに関してはiモードメールという名前でも呼ばれています(iモードメールはFOMAがメインになって以降MMSやFOMAメールと呼ばれることが多くなる)。その後2001年にiアプリ、FOMA登場以降iモーションなど様々なサービスが派生したのですが、特にiモードの登場がケータイ業界に大きな変化を遂げさせたのは事実で、日本のガラパゴスケータイ化を決定付けたものとも言えるかもしれません。
そのiモードをスマートフォンで何とか積みたかったため、試行錯誤していました。アップルと結局揉めたのは、このiモード絡みではないのかとも言われています。
iPhoneをドコモで出したいと交渉した時、
ドコモ:「iモード積ませてよ」
ジョブズ:「ダメ(ニヤリ)」
ジョブズ:「ダメ(ニヤリ)」
なんてことがあったんでしょう。恐らく最後まで抵抗していたのは先日亡くなったジョブズ氏だったのかもしれません。
ところが、ジョブズという障壁が無くなってから、auがこうも早く発売にこぎつけたとなると、ドコモからの発売も案外事実なのかもしれません。
でも、私自身ドコモはiモードを捨ててないと思っています。その理由はdモードというスマートフォン版iモードと呼んでもアプリがあるため。
既にドコモのAndroidではこのdモードが積まれており、iモードとあまり遜色なくブラウジングができます。恐らくiPhoneでもiOSでdモードができることをアピールして、ないしはこれを条件にアップルを丸めこんだのではないかと推測しています。
まだこの記事の結末は見えてきません。その時期が来るまで待つしかないのでしょうが、私自身この記事は、過去の例を考えれば、飛ばしではなくほぼ事実ではないかなと思います。
仮に事実なら、エリアで泣いているソフトバンクは轟沈されてしまうのではないかと。auがどういう立ち位置になるかが正直わかりません。仕様が改良されれば互角の勝負。なければドコモの一人勝ちというふうになるのかもしれません。

