2012年03月14日

チュンソフトとスパイク、合併へ

ゲーム業界老舗のチュンソフトとスパイクが合併し、4月からはスパイク・チュンソフトとして運営されることがわかりました。


チュンソフトは、かつてドラゴンクエストシリーズの開発(Ⅴまで)を行っていたことで非常に有名な会社で、創業者は現在も社長を務める中村光一さんエニックス(当時。現在のスクウェア・エニックス)が行ったプログラマコンテストで得た賞金を元手に大学在学中に創業したのは非常に有名な話です。

元々は先述のドラクエシリーズの開発で名を馳せていたデベロッパーでしたが、1992年にサウンドノベルの先駆けになる「弟切草(おとぎりそう)」発売をきっかけにパブリッシャーに転換。「トルネコの大冒険」・「風来のシレン」などに代表される不思議のダンジョンシリーズや「弟切草」・「かまいたちの夜」に代表されるサウンドノベルを発売し、世間に注目されるようになりました。
その後は、新作がセールス的に恵まれなかったことから2005年にドワンゴの傘下に入り、2006年頃からセガとの連携を図り、再びデベロッパーの道を歩むことになります。2009年頃からはドワンゴの傘下にあったスパイクを経由して発売することになります。そして2010年ごろから再びパブリッシャーの道に戻ることになります。


スパイクは、1989年に出版業界として創業1996年にセガの親会社でもあるCSKに買収されることになりました(ゲーム業界への参入は具体的に書かれていないが、恐らくこの買収がきっかけになっていると思われる)。
現在の社名に変更された1997年以降、会社は流浪の旅のような展開をしており、1999年にはサミーの子会社、2000年には倒産したヒューマンの受け皿として現在も続くシリーズを展開2005年にはドワンゴの子会社として買収され、現在に至っています。その間、ゲームソフトの開発・販売以外にもDVDの販売も行っていたりと、企業面でも迷走していた時期があります。


今回の合併でスパイクは名前の先頭に配置されるものの、会社としては消滅し、後塵を拝したチュンソフトが存続会社になって引っ張っていくことになります。こちらも推測ですが、中村光一さんが社長となって会社を引っ張っていくことになるのでしょう。
また経歴を見てもらってもわかりますが、どちらの会社もセガないしは親会社のCSKに関わった経緯があり、スパイクに関しては、後の親会社になるサミーとの関係もある、ある意味パイプの太い会社でもあります。そういった意味ではデベロップ面でも大きな力も発揮できるし、パブリッシュ面でもオリジナルコンテンツの豊富さ・有名シリーズを抱えているだけに一歩リードしていると言ってもいいでしょう。


しかし、今回の合併を必然と考えることもできます。というのも、チュンソフトもスパイクもドワンゴの傘下であるゲームズアリーナに入っていることから、今回の理由に挙がっていた経営の効率化という面からも納得できます。むしろ今までそれをドワンゴが率先して行ってこなかったのが不思議なくらいです。憶測で物事を書くのもいかがなものかと思いますが、敢えて書けば、双方の業績が芳しくないために、親会社のドワンゴが互いの見栄を無理にでも捨てさせたのだと思います。
また、両社の作品がケータイアプリでは先述のゲームズアリーナで発売していることも絡んでいるでしょう。

ちなみに、ドワンゴはもう一つゲーム会社を抱えており、それがこちらも老舗会社でPCゲーム業界では雄の一つだったT&Eソフト。名古屋市名東区にあるゲーム会社です。
ディズニーの関連コンテンツを制作しているという話が挙がっていましたが、近年はあまり音沙汰がありませんT&Eソフトも状況次第では、今回設立された会社に組み込まれるのかもしれません。


ゲーム業界の再編は、静かにしかし確実に進んでいることを今回も示した一例になりそうです。


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Posted by alexey_calvanov at 23:47Comments(0)TrackBack(0)