昨日、名古屋グランパス×サガン鳥栖の試合を見に、長良川競技場に行ってきました。長良川競技場で行われる理由は、2023年に行われた鳥栖戦や柏レイソル戦との試合の時と同じで、WRC(世界ラリー選手権)が豊田スタジアムで開催されたため、芝をひっぺがしてしまっているからです。養生するのに数ヶ月掛かるらしいからね・・・。
そんな名古屋には、山岸祐也選手が在籍しています。山岸選手は、ザスパクサツ群馬(2年在籍)から岐阜に移籍し、約1年半在籍。2019年夏にモンテディオ山形に移籍し、約1年在籍した後、アビスパ福岡(約3年半在籍)を経て名古屋にやって来ます。ストライカーとして大きく成長して岐阜に凱旋となったわけですな。
鳥栖にも元岐阜の選手が在籍していたんですけど、移籍でいなくなってしまい、今は監督の木谷公亮さんだけです。
試合開始前は雨が降り、息の白くなるくらい寒くなった気候だったにもかかわらず、長良川競技場には14734人の観客が訪れました。名古屋からのアクセスが悪くないのもありますけど、ホーム最終戦である点と名古屋のキーパーで7年間活躍したミッチェル・ランゲラック選手のホームでの最後の試合になるから大勢来たのではないかと。とはいえ、ゴール裏は満員で、バックスタンドはやや空席の目立つレベルだったのに対し、メインスタンドは空席が目立っていたように思えました。全て埋まれば2万は軽く行くはずなんですけどね・・・。
なお、今回は鳥栖側のアウェイ席にしました。山岸選手がいるなら名古屋側じゃないのか・・・と思われるでしょうけど、鳥栖には何とも言えない愛着があるし、ゴール裏とはいえ、岐阜のそれの倍くらいの値段がするから、メインとかバックとかの値段の高さは想像に難くないでしょう(泣)。
アウェイ席にやって来たグランパスファミリーとグランパスポンタ(左端)。
グランパスファミリーは、右端からグランパスくんJr.・グランパスくん・グララ・グランパコちゃんになります。小雨混じる中でもやって来てくれてうれしかったですね。
試合に入る前に、名古屋と鳥栖の現状を話しておきましょう。
名古屋は、ルヴァンカップではアルビレックス新潟を破り優勝したものの、リーグ戦は低調で、前節までの結果により9位に着けています。悪くはない順位かもしれませんが、中庸と言われたあの頃のようですな・・・。
鳥栖は、第3節以降、負けが込み始め、第5節以降は降格圏を行ったり来たりしていました。クラブにも迷走が見られるようになり、監督の交代が後手に回ったり、(移籍金でクラブの債務返済を行わないといけない理由があるとはいえ)主力選手の大量移籍が行われたりと事実上チームが崩壊状態になり、第24節以降降格圏を脱することができなくなり、第29節には最下位転落、第30節にはJ2降格が決まりました。12年間いたJ1から陥落することとなったのです。
今回はDAZNの公式サイトが上げている動画を使用します。
尺が長い分、詳細なハイライトが見られるからですね。
しかし、蓋を開けてみると、鳥栖の動きがかなりいい。もちろん上位にいる名古屋の動きも序盤は悪くなく、鳥栖のゴールを攻めていました。しかし、その序盤に詰められなかったのが痛かった。鳥栖のキーパーである朴一圭(パク・イルギュ)選手のファインセーブで、鳥栖の勢いが増すこととなります。
すると、前半8分にボールの奪い合いの中から生じた名古屋の選手のトラップミスから鳥栖の選手が回収し右サイドへ。右ペナルティエリア方面に低い弾道のクロス気味のボールを飛ばすと、受け取った鳥栖の選手がさらにマイナスのゴロクロス。そこに待ってましたとばかりに夏に加入したヴィキンタス・スリヴカ選手のシュートがランゲラック選手の身体を弾くほどの強烈なものになり、先制点となりました。
こうなると、鳥栖の勢いが止まらない。2分後には、今度は名古屋のパスミスをプレスで突いた鳥栖の選手がペナルティエリア中央付近に駆け寄った鳥栖の選手が受け取れず、名古屋の選手2名と交錯。その時にこぼれる格好になった球を受け取ったのが、今シーズン当初から加入した中原輝選手。ペナルティエリアのラインを蹴りどころにしたかのようにシュートを放ち、それがゴールマウス左隅に突き刺さりました。ランゲラック選手も届かなかった今シーズン初ゴールとなるゴラッソで、鳥栖は一気に2点リードを取ります。
しかし、2-0は危険なスコアとも言われる点差。その後は鳥栖は追加点を奪えず、名古屋は本来の調子を取り戻し始めていました。前半終了間際には、山岸選手が詰め寄ったものの得点には至らず、さらに永井謙佑選手が点を入れたと思ったら、VARの判定の結果名古屋側のオフサイドとなって得点取り消しになり、鳥栖は命拾いをします。ホントに足先のほんのわずかな部分で、競馬の世界ならハナ差と言われるレベルでしょう。ちなみに、前半のラストプレーで山岸選手は鳥栖の今津佑太選手と交錯したことで脳震盪(とう)の疑いが出たため、ハーフタイム明けに交代となりました。
後半は、交代したことでフレッシュになった前線を中心に積極的な展開を見せたものの、鳥栖の守備陣が粘りに粘って球を掻き出し、名古屋のチャンスを徹底的に潰します。
そして後半22(67)分、ゴール前に詰め寄った鳥栖のイレブンが、一度シュートを放つものの、これはバーに嫌われ、再び正面に。そのこぼれ球を打ったのが、2点目を取った中原選手。強烈な右足のシュートは、先程のバーに嫌われたシュートの前に放たれたシュートに対応するためにランゲラック選手がゴールマウスから離れていたため、無人になったその場所に叩き込まれるごっつぁんゴールとなりました。まさかランゲラック選手のようなプレイヤーがそんなことを犯すとは・・・と思うほどのある意味情けないプレーで名古屋は自滅してしまったのです。
その後は、名古屋も打開しようとするものの、鳥栖の選手が一枚上手で、特に朴選手のゴールマウスを離れながらもゴールを死守する献身的なプレーが光っていました。ともすれば、先程のランゲラック選手のように自爆・自滅しかねないリスキーなプレーですけど、この日の試合ではそれが見事に的中していました。
試合は、0-3で鳥栖のクリーンシートで終了。これにより、名古屋はホーム最終戦を白星で飾れなかったばかりか、続投の決まった長谷川健太監督で来年も大丈夫なのかという不安を残す結果にもなりました。
この日の試合の鳥栖は、ホントにJ2に落ちてしまうのかと思えるほど洗練されたプレーを連発しており、文字通りサガン鳥栖の名の由来になった砂岩のようになっていました。
砂岩は、粒は小さくとも集まれば強固な岩になるとのことで、それによってサガン鳥栖のサガンは、強いチームから勝ちを奪うという意味合いも込められているのだそうです。名古屋のような9位とはいえトヨタマネーで大きくなったチームを倒し、さぞかし気持ちよかったでしょうね。これができれば、1年でのJ1復帰も可能だと思います。ただ、戦力が残ればの話で、特に朴選手のカリスマで成り立っているチームだとも思ったので、彼の流出は絶対に避けないといけないでしょう。
試合後にやって来たのは、ヒーローインタビューを受けていたMOMの中原選手。
移籍しても活躍できなかったそうなので、この試合に賭けたものは大きかったでしょう。
ちなみに、チャントは先日引退をしたガイナーレ鳥取の長谷川アーリアジャスール選手のものと同じで、荻野目洋子さんの♪恋してカリビアンという曲ですね。<V・A・N・I・L・L・Aのアレか(ギャハ)!
この結果、名古屋は13位に転落しました。鳥栖は最下位のままですが、最終節でジュビロ磐田に勝てば、北海道コンサドーレ札幌の結果次第では最下位を脱出できます。
ホント、鳥栖はいい試合をしていました。泣けてきましたよ・・・。だからこそ、来年1年でJ1に復帰して頂くよう、改めて思うのでありました。
次回は、スタメシの紹介をしていきましょうか。