元々は日本ハムで捕手をメインにこなしていた選手で、後に内野手として登場する機会が多くなりました(一時期は外野手でのプレー経験がある)。2006年オフに巨人へフリーエージェントで移籍し今に至るのですが、統一球が導入された2011年以降、極度の不振とケガが重なり、見るも無残な成績になってしまっていました。それでも2000本安打を達成し、その後でもまだ選手としての灯は消さなかった、ジャイアンツ球場(2軍選手が練習する球場。よみうりランドの中にある)で若手と一緒に腐らずに新しい打撃フォームを作っていました。
そして今年、ケガで2軍スタートだったものの、徐々に調子を取り戻し、交流戦に入ってしばらくして1軍に昇格。再び代打をメインに登場することとなりました。
そんな状況の中で迎えた昨日(6/5)の試合、相手は古巣の日本ハム戦。試合は陽選手のソロアーチで日本ハムが先制。その後は調子のよかった吉川選手を打ちあぐねいていた状態でした。
ところが、8回に吉川選手を捕らえ、迎えた延長11回に坂本・阿部選手が繋いだところで、小笠原選手にチャンスが巡って来たのです。
相手投手は増井選手。彼は小笠原選手をあっという間に追い詰めましたが、小笠原選手はカットして粘ります。そして8球目、149km/hのストレートをフルスイング。打球はあっという間にライトスタンド、巨人ファンの歓喜する中にボールが埋もれました。野球人生の中で何度も打っていたサヨナラホームランだったと思いますが、今回のような劇的でかつ復活ののろしとも言えるこのホームランには今後特別な思い入れができてくるのかもしれませんね。
小笠原選手の実に2年ぶりのホームランで劇的勝利を飾った巨人。衰え掛けたチームの勢いを再び付ける勝利になったと思います。
対して日本ハムは好調の吉川選手を見殺しにしてしまった、ともすればあまり調子のよくなかった澤村選手を攻略できなかった打線に全ての原因があると思うのですけど、水物ともいう打線ばかりを責めるわけにもいかないのも事実。繋がる野球の再確認と継投の再考を求めたいところです。個人的には、打者を出した時点で動くべきだったのではないかなと思います。
ともあれ、小笠原選手で負けたのなら、同じ負けでもまだ納得がいきます。必死になってもがいた中で掴んだ勝利がたまたま古巣だっただけのことなんです。悔しいことは悔しいですが、ここは打った小笠原選手を褒めるべきだと思います。

