2021年08月17日

タリバン復活

かつてアフガニスタンをイスラム教の教えを厳格に適用した組織であるタリバンに支配されておりました。そのタリバンは2001年に起こったアメリカ同時多発テロをきっかけに起こったアフガニスタン戦争で崩壊。その後は共和制国家として新たなる一歩を歩んだものの、内輪揉めによってお互いの足を引っ張る格好になり、上手くまとまらない中の国家運営になっていました。つまりは綱渡りというやつです。
この間、アメリカ軍など外国軍が駐留していたため、国内は何とか安定してはいたものの、その中では都落ちしたタリバンが国内やパキスタンで力を蓄えていました。再び政権を奪還するために。

そして昨年、タリバンとの和平合意の下にアメリカのトランプ元大統領が駐留しているアメリカ軍を含む外国軍の撤退を表明。紆余曲折の末、今年の5月から撤退が本格的に開始されました。8月現在アメリカ軍はほぼ撤退し、イギリス軍もほとんど撤収を終えたとのことです。
しかし、タリバンはアメリカ軍との停戦には合意していたものの、現政権そのものを認めていなかった政府軍とは戦闘を続けていましたアメリカ軍撤退前には散発的だったものが、アメリカ軍撤退決定以降攻勢を強め、今月にはアフガニスタンのほぼ全土を制圧し、首都カブール陥落は時間の問題とされていました。私自身は、もう少し首都に攻め込まれても抵抗があるのではと思っていましたけど、そんな思いは昨日入ってきたニュースで打ち砕かれましたね。


昨日、タリバンが首都に入り、大統領府などを制圧しました。あっという間の出来事でしたけど、ここまで素早く・・・と思って見ておりました。ここまで素早かったのは、カブールの門にまでタリバンが迫っているという情報を仕入れた後に、アフガニスタンのガニ大統領は、国外逃亡を図ったとのことかららしい。逃げるための猶予をタリバンがくれたと見るべきか、タリバンが迫ってきたからとんずらこいたというべきか・・・。ただ、その時に金品を持って逃げているとのことなので、後者のような気がしないでもない。そりゃ政府軍の士気が上がらんわけだわ・・・。
そして、カブール全体を着々と支配下に置いており、空白状態の政権もほぼ実権を握ったというふうになっているようです。国外に逃げようと大勢の国民が押し掛けているカブール国際空港がタリバンに渡るのも時間の問題でしょう。


タリバン自身は国民融和と女性参画を強調する一方、イスラム教による厳格な支配は以前と変わらず行うとのことなので、まだまだ予断を許しません。第1期とも言えるタリバン政権の蛮行を見ているので、国際社会はそうやすやすとタリバンを承認しないでしょう。また新冷戦のダシにだけはならないように国際社会はタリバンに対して一致した対応を行うべきです。中国とロシアがタリバンを承認しないことを祈るのみです。

一番はタリバンを穏健なイスラム組織にすることです。そのためにはテロ組織とのかかわりを絶たせることと強硬派の抑え込みを図るように要請することではないかと思います。あとはイスラム法を国際法に則ったものにしなければならないのですけど、かなりの時間を有することになるでしょう。
何より、タリバンを合法的な組織にするため(言い換えれば、彼ら自身が認められるため)には、国際的な監視のもとによる公正な選挙によって選ばれた組織にしないといけないでしょう。それが実現するか否かは彼ら自身に掛かっているのです。


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Posted by alexey_calvanov at 23:33Comments(0)