2024年06月13日

さらばドクターイエロー

東海道・山陽新幹線の検査のために走っているドクターイエローという黄色い新幹線。この列車は、1ヶ月の間に3回のみ走行し、ダイヤは非公表。そのため、走行している姿を見掛けた時には、幸せになれると鉄道ファンを中心に言われるようになりました。なお、黄色のカラーリングになった理由は、営業車両ではないことを明確に示すためなど諸説あるようです。
正式名称は新幹線電気軌道総合試験車(現行車両は、その923形0番代)というのだそうですが、この度引退すると発表されました。
ドクターイエローはJR東海とJR西日本が、それぞれ1車両ずつ所有しているのですけれども、JR東海のドクターイエロー(2001年から運用開始)は2025年1月に引退、JR西日本のドクターイエロー(2005年製造)は2027年に検測作業を終了する予定(引退時期は未定)とのこと。今後はN700Sに検測機器を積んでデータを収集するとのことなので、後継車両の登場は無いとのことだそうです。

引退理由は老朽化ということですけど、それ以外にも理由があると思っています。
まず、ドクターイエローは製造年からわかるように、最新車両のN700Sではなく、700系をベースにして作られています。そのため最高時速(東海道新幹線内)は270km/hとなっており、現行の最高時速(東海道新幹線内)になる285km/hを出せません(ただし、ドクターイエローそのものは285km/hを出すことはできるものの、N700Sの最高時速(山陽新幹線内)300km/hを出すことはできない)。もちろん270km/hでもデータ収集に問題が無いので、現在でも利用されているのでしょうけど、それならN700Sに積んだ検測機器からデータ収集した方が、より正確で価値の高いデータが収集できると思います。
もう一つは、新幹線のダイヤに影響を与えかねないという点
現行走っている期間に臨時ダイヤを組まれることは無いのですけれども、現行の新幹線が最高時速285~300km/hで走っていることを考慮すれば、ドクターイエローが走る時は、それがネックになりかねないわけです。特に東海道新幹線は綿密なダイヤを組むために、N700・N700A・N700Sで最高時速を285km/hに合わせていますこだまでさえも同じ時速で運行されているだけに、ドクターイエローの入る隙というのは、正直なかなか無いと思われます。


代替車両も製造されず、歴史の中に消えていくのは寂しい限りですけれども、それだけ検測技術が進化したと考えれば、その役割は終わっても致し方なしと思います。まだまだ先はありますけど、まずは長い間お疲れ様でしたと述べておきたいです。


運行終了までの間、様々なイベントが用意されるとのことなので、今後の続報を待つことと致しましょう。


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Posted by alexey_calvanov at 23:26Comments(0)