2011年06月22日

カネのかかる自由化

インターネットの住所に当たるアドレス。その中にはドメイン(ないしはドメイン名。以下ドメイン)と言われるものがあります。
例えば、このサイトのアドレスである『http://alexmaster.livedoor.biz』の『.biz』に当たる部分がドメイン、詳細に言うと「一般トップドメイン」になり、アメリカにある非営利法人のICANN(アイキャン)が管理しています
ちなみに、『.jp』・『.tv』などは「国別コードトップレベルドメイン」と言い、それぞれの国や地域に設立された法人が管理しています(もしくは国や地域そのものが管理)


そのドメイン、これまでは決められた単語でしか組むことができませんでした
有名なのは『.com』。それ以外にも『.net』・『.org』といった公共性の高いもの(ないしは財務支援のないもの)や『.mobi』のように携帯電話での閲覧できるようにしなければならないという前提で製作された財務支援のあるものなどいくつかありますが、数は限られています。
しかしながら、来年の1月~4月の第1弾以降、これら以外のドメインを原則自由に製作できるようにするのだそうです。

この決定により、様々なアドレスが誕生しそうです
例えば、『.bank』・『.hotel』のような企業用『.paris』・『.tokyo』といった地域の名前も。
さらには英語以外の言語でドメインを製作することも可能になりました(既に.xxより前の部分のドメイン名を日本語など英語以外の言語でも利用可能にはなっていた)
これにより、例えば東京にある文化放送(『joqr.net』)は『1134.文化放送』とか『JOQR.文化放送』といったアドレスが制作可能になったわけです(アドレス名は架空のものです)

ただ、これらを製作(申請)するにはカネがかかるのは、残念ながら付きまとう事実で、185,000ドル(約1480万円)かかるのだそうな。やっぱり、自由に作るにはカネが伴うのか・・・。


このことがきっかけでおこりそうなもの。例えば、かつてこんなことがありました。それは、ドメイン戦争とも言えるもの
その昔、名古屋にある松坂屋は『matsuzakaya.co.jp』で申請したものの通らず、やむなく一時期『matsuzakaya-dept.co.jp』とせざるを得ませんでした。この『matsuzakaya.co.jp』は実は風俗店が自分の店の宣伝のために抑えてしまっていたのです(後に期限が切れたのか、松坂屋が取得)。
これはイリーガルなケースなものの、それ以外にも他の企業が先行取得したために、やむなく工夫していまだにトリッキーな名前のアドレスにしているところもあります。
例えば、CBC(中部日本放送)
本当は『cbc.co.jp』にしたかったものの、CBC株式会社という名前の会社が抑えてしまっていたために、『cbc-nagoya.co.jp』とせざるを得なくなり、今度は『cbc.com』にしようと思ったものの、これも別の会社が抑えていたため、これまた『hicbc.com』というアドレスにしないといけなくなりました
同様の例は大阪にあるラジオ大阪でもあり、『obc.co.jp』としたかったものの、「勘定奉行」などの会計ソフト制作会社のオービックビジネスコンサルタント(OBC)が先行取得しており、やむなく『obc1314.co.jp』とすることになりました
ただラジオ大阪の場合は、今後の自由化で『1314.ラジオ大阪』や『OBC.ラジオ大阪』といったアドレスに変更してくるかもしれません(アドレスは架空のものです)


今回起こるドメイン自由化によって、以前よりし烈なドメイン戦争が起こるとも限りません。日本語など他言語で入力可能になるとはいえ、アルファベットで打つのが一番楽なような気も・・・。そう思うのは私だけでしょうか?


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Posted by alexey_calvanov at 23:35Comments(0)TrackBack(0)