2012年01月19日

約四半世紀の歴史にピリオド

ファミリーコンピューターマガジン、マルカツ(○勝)ファミコン、ハイスコア、ファミコン必勝本、Game Walker、ゲームオン!、電撃王、ゲーム批評、CONTINUE。
この雑誌名を聞いた中で懐かしいと思ったものや、あれがないこれがないという人もいらっしゃるでしょうけど、これらの雑誌の共通点は、全て休廃刊となった、つまり二度と現れることのないゲーム雑誌でもあるわけです。
その鬼籍となった雑誌群の中に、ある雑誌が入ることになってしまいました。その雑誌の名前は「ゲーマガ」
・・・「ゲーマガ」と聞いてもピンとこない方は、この雑誌の歴史をたどって行けば、ああとかおおとか思うかもしれません。


「ゲーマガ」の源流は、パソコンを扱った総合誌「Beep」。今から28年前、1984年12月に創刊されました(ただし、一部の支持者には7月の創刊準備号を祖とする説もある)。
当時としては珍しく、ソノシート(塩化ビニールで作られた薄い材質のレコード)が付録で付いていたり、他誌ではオマケ程度だったコンシューマーゲームの紹介を積極的に取り上げたりと、意欲的な雑誌として一目を置かれていました。この時コンシューマーゲームを積極的に取り上げていたことが、後にセガのゲームを盛り上げるきっかけにもなり、他誌が別の雑誌(有名どころだと、ログインから週刊ファミコン通信(現在の週刊ファミ通)が誕生している)の中でファミコンを取り上げていった中、逆に先述の通りセガのゲームを積極的に取り上げるゲーム雑誌業界の中で『異端児』っぷりを発揮し始めた瞬間でもありました。

その後、メガドライブの発売と共に、「BEEP!メガドライブ」へと移行色々と名高い読者レースという企画はこの頃誕生しています。そして、ますますセガへと傾倒していった結果、誌名を見てもらうとわかるように、セガのゲームを取り扱う専門誌へと衣替えした瞬間でもあったのです。

そしてセガサターンに移ってからは「セガサターンマガジン」として生まれ変わります
当時としては異例の専門誌でありながら週刊化を果たす稀有な雑誌になったのもこの頃。ゲーム雑誌として最も勢いのあったのがこの頃ではないかと言う人も少なくないでしょう。
同時に、ヘンテコなゲーム(ぶっちゃけクソゲー)がフィーチャーされたのもこの頃で、メガドライブ時代にも「ソード・オブ・ソダン」・「惑星ウッドストック ファンキーホラーバンド」などといった奇怪なゲームが取り上げられていましたが、「デスクリムゾン」のように『最下位帝王』として祭り上げられ、それがきっかけで読者レースが白熱し、挙句の果てには「デスクリムゾン」が発売されたエコールが集中的に取り上げられるといった、今思えば到底信じられない出来事が連発していたのも、やっぱりこの頃です(笑)。

セガサターンがドリームキャストに入れ替わると共に「ドリームキャストマガジン」へと移行したものの、2001年にセガがハード分野からの撤退を決めたことで、セガの専門誌であったこの雑誌も終了するという噂が上がりました。
しかし、「ドリームキャストマガジン」は「ドリマガ」(後に現在の誌名である「ゲーマガ」に変更)として再起を果たし、かつての「Beep」よろしく、セガに囚われない総合誌としてリニューアルを果たしたのでした。
ただ、情報の電子化(つまりはインターネットの普及)により、速報性の低い雑誌が急速に衰え、内容で勝負していった「ゲーマガ」も徐々に追い詰められていきました
週刊が隔週刊になり、隔週刊が月刊になり、さらに販売価格が徐々に引き上げられ、現在では1000円出しても20円しかお釣りが来ません(泣)。
総合誌に復帰してからは、グラビア色の強いコーナーも登場しました。現在も活躍してる中川翔子さんや喜屋武ちあきさんも元はこの雑誌でグラビア兼ゲームりポーター的な立ち位置で登場していました。
・・・え、小向美奈子?いましたねぇ(ニヤニヤ)。


そうやって時代の荒波をサーフしてきた「ゲーマガ」も、それらが険しくなった昨今、遂に乗り越えられなくなったのかもしれません。ほとんど積み状態で放って置かれてしまっているのが、その現状を表していたのかもしれません。そして遂に2012年1月18日、ブログ上で2012年3月30日発売の5月号で27年3ヶ月の歴史にピリオドを打つことを発表しました


正直、潮時だったのかもしれません。これ以上時代の波に越えられるほどの力があったとは正直思えません。
月刊誌になった時点で、情報の鮮度においては、ファミ通やインターネットに負けてしまっています。それにコラム等の入れ替わりの激しさ(突如打ち切りになることもあった)は今の読者にはソッポを向かれる要因になるかもしれません。そしてテキスト主体の誌面構成は、ファミ通のように映像のインパクトで訴えるのに慣れてしまった読者には厳しいものがあったと思います(逆に作品の詳細や思いを知ることのできる貴重な構成でもあったが)。
それでもなお、この雑誌が作り上げてきた独自の文化が無くなることに悲しみを禁じ得ません先日のハドソンがなくなる(注:ブランドとしては継続していく予定)のと同じように、草創期を知るゲーム文化や歴史の1コマが無くなってしまうのですから。
一生残すのは厳しいでしょうけど、何かしらの形で残せるのなら残してほしいものでした。また、ちゃっかりと「いやぁ、今度は「○○」という誌名にリニューアルするんですわ(ゲラゲラゲラ)」とか人によっては「ウソだと言ってよ、(メガドラ)兄さん!」とか思っていたりして(笑)。<ちゃっかり、ガンダムシリーズのセリフをパクってますよ!


ともかく、最期を迎えつつある「ゲーマガ」を明るく送ってやろうじゃないですか残り3ヶ月もあるのですから、しばらくは楽しみましょう。ええ、楽しみましょうや・・・(泣)。


ゲーマガ 2012年 02月号 [雑誌]ゲーマガ 2012年2月号



ゲーマガ 2012年3月号



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Posted by alexey_calvanov at 23:59Comments(0)TrackBack(0)