今日(6/24)から明後日(6/26)まで、名古屋市にあるパロマ瑞穂スタジアムで日本選手権が開催されています。リオデジャネイロオリンピックの最終選考会も兼ねているため、オリンピック出場の掛かっている選手には非常にセンシティブになっているのではないのでしょうか。
そんな中、今日男子ハンマー投げが行われ、過去4回オリンピックに出場した室伏広治選手が久しぶりに出場しました。しかしながら、1投目の64m74が最高で、参加標準記録の77mも越えられなかったばかりか、全体の8位にも入れず、4投目の権利を得らぬまま終了。この後行われたインタビューで、競技の第一線から身を引くことを発表。事実上の現役引退となりました。
なお、インタビューの中では「オリンピックや世界を目指すには体力の限界。今後は後輩達に期待したい」・「気力体力やりきったというところで体力の限界を感じた。(中略)一つの区切り。これからは組織委員会に戻って、日本のスポーツのために尽力したい」とも語っています。
そうだよ、今室伏選手は、2020年の東京オリンピックに向けて組織委員会に入って活動中だったんだ。そのためにろくすっぽ練習ができない状態。ましてや41歳。肉体的にも限界が近いのは言うまでもありません。
でも、ここまでやった理由は父親の影響もあるのでしょう。
父親の室伏重信さんは40歳を過ぎても現役選手として活躍。経歴の中には、オリンピック4大会連続出場(ミュンヘン~ロサンゼルス。1980年のモスクワオリンピックは選出されていたものの、日本が不参加のため出場できず)、日本選手権10連覇、41歳でアジア大会で優勝するなど輝かしいものがあり、日本陸上界のレジェンドの一人(アジアの鉄人)として知られていました。
重信さんは、肉体的な衰えがあっても練習に工夫を加えれば、短い時間でも充実したものになると説いていました。ゆえに、時々室伏広治選手が見せる素っ頓狂なトレーニングは何かの目的や工夫があって行われていたのです。父の教えを的確に守っていたんですね。
ちなみに、今回室伏選手がこの日本選手権を優勝していれば、室伏家通算50回目の優勝になるとされていました。父親が12回、娘の室伏由佳さんがハンマー投げで5回・円盤投げで12回の計17回、そして由佳さんの兄である室伏選手が20回(しかも日本選手権20連覇(1995年~2014年)の記録持ち)。これだけ見ても室伏一家の記録はすごいと思わされると同時に、父と息子・娘がどれだけ偉大な選手なのかを思い知らされる結果でもあります。この先広治・由佳の息子・娘に引き継がれることになるでしょうから、室伏家の記録はまだまだ伸びて、さらなる栄誉が付くかもしれません。
室伏選手、本当にお疲れ様でした。2020年のオリンピックに向けていい仕事を期待しております。将来的には世界陸連やオリンピックの組織委員会の会長になるほどの立派なスポーツマンになってほしいです。