2018年02月10日

モルゲッソヨ!

その昔、オーストラリアに来た白人達は、大地を跳びながら歩く不思議な動物を見て驚いたそうな。この不思議な動物の名前を知りたくて、近くにいたアボリジニーに、あの動物の名前は何というのか尋ねた。すると、「カンガルー」と答えたそうな。白人達は、そうかあの動物はカンガルーかと喜んだ。しかし、答えたアボリジニーは、あの動物の名前は知らないので、自分達の言葉で知りませんを意味する「カンガルー」と答えただけだったのだ。
・・・というカンガルーの名前が付いた俗説(中学校時代、英語の教科書にも載ってた(爆))がありまして。まぁ、後の白人の残忍な行為を知っていたのなら、『知りません』ではなく、『知らん』とか『知るか』となるのでしょうけど、それはまた別の話。


しかし、数百年の時を経て、同じようなことが起こるとは思わなかった(苦笑)。
現在開催中の平昌(ピョンチャン)オリンピックの会場の一つ、平昌のメインプレスセンター近くに、奇妙な像が建っており、それが大きな話題になっているのです。その像(男3人が並んで建っている)は、頭に何かの被り物をしているにもかかわらず、それ以外は真っ裸。つまり上半身・下半身は丸出しなのです。この不思議な像について、運営スタッフ(ボランティア)の何人かに尋ねても、韓国語の「モルゲッソヨ」としか返ってこない。つまり、「知りません」としか答えられなかったのです。そんな像が各国の報道陣の集合場所になっているという事実(笑)。
しかも、これはオリンピックに合わせて建てられたものではなく、少なくとも数年前からあったのではないかという、さらに驚きの事実が発覚。ということは、オリンピック開催前から建っていたのに、誰も何者なのか知らなかったという驚異(汗)。

それはともかく、この事実がネット上にアップされると、すかさず5ちゃんねる(元2ちゃんねる)でスレッドが立ち、あっという間にアスキーアートが登場する有様。もっとも、この時から発生したアスキーアートは昔のアスキーアートをちょっと加工しただけの文字通り『コピー品』なのですが、元々のクオリティの高さもあって、5ちゃんねるを飛び出し、ツイッター上などSNSでも拡散され、アスキーアートだけでなく、「モルゲッソヨ」の言葉もトレンドワードになったのでした。


いやあ、像そのものだけじゃなく、アスキーアートと「モルゲッソヨ」の言葉のインパクトがすご過ぎて、もう爆笑だわ。ここまで大笑いしたのも久しくなかった。早速今年(2018年)を象徴する1枚になるかもしれないですね。


もちろん、この像にはちゃんと名前もあれば、製作者もわかっている
この像は弾丸男(Bullet Man)という名前があり、金知鉉(キム・ジヒョン)さんが発表した作品。作られた年は諸説あり、2009年という記載もあれば、少なくとも2008年には続編に当たるものが作られているので、それより前という説もあり不明です。
この像は、たくましい体・富・名誉など人間の欲望を具体的に表現したものなのだそうで、2013年の第1回江原道(カンウォンド)国際美術展覧会でお披露目の後、アルペンシアリゾートに設置されたらしい。そのため所有者は江原道文化財団なのだそうな。


日本でこれだけ席巻したのなら、海外でも・・・と思ってたのだが、日本だけだな(汗)。しかし、前衛的な芸術はようわからんわ(ギャハ)。


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Posted by alexey_calvanov at 17:19Comments(0)

2017年12月06日

ロシアが2018年オリンピック追放へ

国際オリンピック委員会(IOC)は、スイス・ローザンヌで開かれた理事会で、2018年に韓国・平昌(ピョンチャン)で開催される冬季オリンピックにロシアの参加を認めない(ロシアオリンピック委員会の参加資格停止)方針を明らかにしました。このところ明らかになってきた国主導のドーピング問題(組織的不正およびその隠蔽)があったからです。


ロシアのドーピング問題は、2014年の告発がきっかけで明らかになりました。それまでも旧ソ連時代、ステートアマと言われるほど最強の選手団だった旧社会主義国では、ドーピングが当たり前のように行われていたと言われ、それらが民主化により体制が変わっても、ロシアなど一部ではまだあるのではないかとも言われていました
で、2014年の告発とは、女子陸上選手とその夫(ロシアの反ドーピング機関に勤めていた)によるもので、組織的な不正と検体のすり替えや廃棄を国家ぐるみで行っていたことをドイツの公共放送で暴露したことでした。さらに、後の調査で選手と反ドーピング機関との癒着(ワイロなどで検査日時を知ろうとした)も発覚。遂には国家ぐるみのドーピング行為が認定され、国際陸上競技連盟からの資格停止、反ドーピング機関からの資格停止処分を食らうことになったのです。
この行為はロシアで開催された(つまりホスト国である)ソチオリンピックでも行われており、金メダル33個のうち11個がドーピングではく奪と実に1/3に及んだのです。

これらの行為が明らかになってから、国際社会によるロシアの締め出しが議論され、2016年のリオデジャネイロオリンピックの時は、各種目に委ねる形になり、陸上など一部競技でのみロシア選手団の出場ができなくなりました。対してリオデジャネイロパラリンピックでは、国際パラリンピック委員会(IPC)が事態を重く見て、全競技での締め出しを決めました事実上の追放になったのです。

しかし、国際社会は、IOCの放映権ビジネスによってロシアへの対応が及び腰になったと痛烈に批判。そのため、今回の冬季オリンピックには毅然とした対応、ロシアを事実上の追放にしたのだと思います。
ただ、以前の国際大会(最近だと2017年の世界陸上ロンドン大会)のように、過去にドーピングによる失格が無い・反ドーピング機関やIOCなどの厳しい審査をクリアしたなど諸条件をクリアした選手のみ個人資格(ロシアからのオリンピック選手(ROA))での参加になり、オリンピック旗での入場とメダル獲得時の掲揚、そしてその時に流される歌は♪オリンピック賛歌になり、ロシアの国旗・国歌の使用および同国の採用したユニフォームを着用しての参加は禁止されます。


現状、ロシアの選手が個人参加で出場するのか否かは報じられていません一部選手からは反発やスポーツ仲裁裁判所への提訴もあるとされ、フィギュアスケートのメドベージェワ選手は参加しないのではないかとも言われています。またロシア政府からは侮辱的・屈辱的・アメリカの陰謀が絡んでいるとして、ボイコットを呼びかける動きもあると報じています。


もしロシアの全選手が出場しない・できないとなると、メダル獲得の勢力図が大きく変わるとも言われています。そして、盛り上がりの面でどうなるのかも不透明です。放映権ビジネスで稼いだIOCは経費を回収できるのかも焦点になるでしょうし、何より、韓国国内の盛り上がりに水を差すことになる可能性も否定できません
そして、ロシア国内でもプーチン大統領が出馬する来年の大統領選挙への影響も指摘されています。というのも、ロシアがスポーツから国威発揚を促していたからです。その勢いは、かつてのステートアマ時代(つまりは旧ソ連時代)を彷彿とさせるようなものでした。今回の決定は、体面を汚されたとも取れる行為になるでしょう。


ちなみに、政治的な問題での不参加はこれまであったものの、ドーピング問題で不参加になるのは史上初めてになるとされています。ただ、この問題もどちらかというと政治的な問題とも言え、政治とスポーツを根本から切り離さない限り、このような悲劇は続くと思います。


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Posted by alexey_calvanov at 23:43Comments(0)