2015年11月25日

厳戒態勢下でも遊び心は忘れてはならないと思わせる

テロリストが潜伏している可能性があるとして首都ブリュッセルが最高警戒レベルの4、それ以外の地域が3になっているベルギー。この影響で地下鉄と一部鉄道が運休、学校も休みになっているだけでなく、街のあちこちに警官がパトロールするなど物々しい状況になっております。

そんな中で、ベルギーに住む国民が捜査中の警官の画像をツイッター上に掲載することが増えてきたため、ベルギー警察が捜査に支障をきたす可能性があるとして自粛を要請することになりました。その時、誰かが「警察の動向の代わりにネコのモーツァルトの様子をどうぞ」とツイートしたことがきっかけで、一斉に警察の画像から様々なネコの画像に投稿が切り替わっていったのです。
そこではかわいらしい画像からコラ画像に至るまで様々なネコの画像が投稿され、ベルギーだけでなく日本など海外からの画像もあったとか。中でも「スターウォーズ」に出てくるストームトルーパーのような姿の人が丸っこいネコに乗って移動する姿は新聞でも掲載され話題になったと思われます(リツイートの中には、「警察の情報を漏らすな」というネタもあったそうで(笑))。

このネコ画像を投稿した流れにベルギー警察は感謝の意をツイッター上で表明し、ネコのエサの画像を掲載したそうです。なかなか粋じゃないですか。


殺伐とした空気が流れているベルギーで、こういうほっこりとした誰もが心を安らげれることで盛り上がったということは、まだまだ人間は捨てたもんじゃないぞという感じを抱かせると共に、テロリストが潜伏している現実を少しでも忘れたいという気持ちの表れなんでしょう。早いこと落ち着いて、今回のような映像を心から楽しめるようになってほしいですね。


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Posted by alexey_calvanov at 23:25Comments(0)TrackBack(0)

2011年01月30日

ベルギーの若者は偉い

先週月曜日にNHK BS1でやっていた「きょうの世界」での一コマ。


現在いまだに政権の樹立が達成されていないベルギー。実は複雑な国家構成が招いた要因でもあります。


チョコレートとダイヤモンドの加工技術と王室で有名なベルギーですけど、その内情はあまり知られていません。
ベルギーは北部オランダ系(フラマン人)と南部のフランス系(ワロン人)で国がほぼ二分(国の東部に若干ドイツ系も在住)されており、古くから言語戦争と呼ばれる冷戦状態が続いていました。
この言語戦争の原因は、19世紀の頃、つまりベルギーが植民地を有する帝国主義を形成していった頃は、フランス語の国際的地位が高かったためフランス語のみが公用語として定められました。しかし20世紀に入ると、帝国主義の衰退と共にオランダ系の地位向上を求める運動が活発化し、その結果北部地域はオランダ語が公用語として定められるようになりました
しかし結果的にはオランダ系の劣等感はぬぐい切れず、遂には北部の分離独立を求める政党が登場。今回(といっても半年以上前に行われたもの)の選挙で大躍進を遂げたわけです。

北部地域は教育水準も経済レベルも高いとされ、外国語話者も多いとされます。対して南部地域では教育水準も経済レベルも低いとされ、北部地域の経済をあてにしているという不満が北部地域の住民にうずまいています。これが今回の選挙での躍進と分離独立の原動力になっているのです。

しかし、過半数が取れていないのとオランダ系とフランス系双方が政権に入らないといけないというルールがあるため、連立交渉でいまだにもめているわけですよ。


そんな日本以上に政争が長引いていることに業を煮やした国民が首都のブリュッセルで大規模なデモ行進が行われたんですけれども、その中で叫ばれたのが「ベルギー統一」と「政権を組めない政治家共は恥を知れ」状況では再選挙を求めるデモにも見えます。
そしてそれを指揮したのが民族を超えた若者達。彼らが主導して平和的なデモを行ったのですから非常に偉い。彼らは熱く政治のことを語り、国を憂い、ベルギーの分裂を必死で阻止しようと動いていましたよ。


同じ政治に閉塞感を抱いている日本でも、こういった若者達が出てくれば、少しは政治も変わってくるんじゃないかなと思いたいんですけど、国が豊かなままだとそういう感覚も鈍ってしまうのかしらねぇ・・・。  
Posted by alexey_calvanov at 23:51Comments(0)TrackBack(0)