JFLはアマチュアリーグの最高峰とされているのですが、Jリーグと違いプロではないため、興行面では大変だと言われています。プロではないのにプロと同じくらいの経費が掛かると言われており、実際JFLは全国リーグの側面もあるので、移動には新幹線や飛行機を使っているチームもあるのかもしれません。いや、いわきFCのように、どれだけ遠くてもバス移動なんてこともあるかもしれない(汗)。
その経営の苦しさが先日露呈されました。
島根県にあるFC神楽しまね(旧松江シティFC)で、6月分の選手とスタッフ全員の給与未払いが発覚し、経営難に陥っているのではと報じられました。その後、球団が経営難を認め、5000万円のクラウドファンディングを求める事態にまで発展しています。
このFC神楽しまね、2017年にNPO法人から株式会社化して以降、債務超過を繰り返しながらもスポンサー収入などで何とか経営を維持している状況でした。そんな中で、2018年のJFL昇格、2020年のJFL最高順位(5位)を達成し、将来のJリーグ参入を目指していた中、新型コロナウイルスの感染やスタートダッシュの失敗で残留ギリギリ(14位)の状況に陥っています。この部分が今回の経営難に影響を少なからず与えているとも言われ、身の丈に合っていない運営をしていたのではと思われても仕方ないですよね・・・。なお、この債務超過の影響なのか、現在もJリーグの入会の基本ともいえる百年構想クラブも申請していない状況です。
そんなしまねの状況が明らかになった中で、今日報じられたのが、ホンダロックSCの事実上の譲渡です。
8/4に電気部品メーカーのミネベアミツミ株式会社が、宮崎県にあるホンダロックSCの運営を行っている株式会社ホンダロック(企業チームなので、同社のサッカー部という扱い)の全株式を取得し、子会社化することを発表したのです。なお、ホンダロックは本田技研工業の子会社なので、ミネベアミツミは本田技研工業から全株式を取得したことになります。
現状ホンダロックSCからの公式リリースはありませんが、少なくとも来年からはミネベアミツミの名前(ないしはその名前が絡んだ子会社名)で活動することになりそうです。
こちらも企業チームではありながら、運営の厳しさに(間接的ながら)放り込まれた格好になりそうです。恐らくホンダロックと本田技研工業が出してくれていたと思うのですが、この費用をミネベアミツミは捻出できるのかという点をしっかり見て行かないといけないでしょうね。
これは個人的な感想ですが、JFLでチーム運営が黒字を出せなければ、Jリーグでも黒字を叩き出せないでしょうし、運営そのものも行き詰ってしまうのではないかと。そのため、Jリーグが厳しいライセンス制度を設けている・・・というふうなんじゃないかなと。ゆえに、今回のような事態に陥ったチームは、正直今後のJリーグ参入にも暗雲漂うというふうになるでしょうね・・・。ホンダロックSCは企業チームとして運営していくというふうなので、大丈夫とは思いますが、ミネベアミツミになることで、Jリーグ入りを模索するチームに切り替わるかもしれない。そうなった時に、きちんとした運営が成り立てられるのか、などの問題が噴出してくることでしょう。まぁ、ロック総統の目の黒いうちは、プロチームにはならないでしょうけどね(ニヤニヤ)。