東京ヤクルトスワローズが昨日の横浜DeNAベイスターズ戦を2-1のサヨナラ勝ちをしたため、DeNAの自力優勝が消滅。これに伴い、ヤクルトにリーグ優勝へのマジックナンバー53が点灯しました。
今年のヤクルトは去年以上に強く、連敗をほとんどしていません。加えて、敗戦に追い込まれた・・・と思ったら、中終盤で驚異の粘りを見せ、逆転勝ちになるケースも多く見られます。交流戦も優勝したため、無類の強さとも言えるでしょう。
ひとえにヤクルトの村上宗隆選手さまさまでしょう。今年は大当たりになっており、既にホームラン29本と一昨年(20020年)の成績を越え、このままいけば昨年の成績(ホームラン39本)を軽く超えて50本以上も射程圏内に入るでしょう。また打点王もほぼ確実、打率も3割を維持できれば、打率王も狙えるところに収まるかもしれません(現状は5位)。
さて、昨日点灯した優勝マジック。実はセリーグの最速記録だけでなく、プロ野球全体で見ても最速の点灯記録になったのです。
これまでのセリーグの優勝マジック点灯の最速記録は2003年の阪神タイガースで、7/8に記録したマジック48でした。星野仙一元監督が指揮した時で、ぶっちぎりの優勝を果たしたものの、福岡ダイエーホークス(後の福岡ソフトバンクホークス)に3勝4敗と惜敗し、シーズン終了後に星野元監督が勇退を発表しています。
そしてプロ野球最速記録だったのが、1965年の南海ホークス(後の福岡ソフトバンクホークス)。この当時は1シーズン制で行われ、7/6に優勝マジック62が点灯しました。戦後の南海を支えた鶴岡一人元監督の指揮の下、前半は超特急で駆け抜けたものの、マジック点灯後に失速。何とか優勝はしたものの、後にV9を達成することになる読売ジャイアンツの黄金期を演出する事態になってしまいました。このことがきっかけになったのか、鶴岡元監督は勇退することになったものの、後任監督になった蔭山和夫元ヘッドコーチが急逝したため、鶴岡さんが監督業に復帰することになります。
この年大活躍したのが野村克也さんで、三冠王に輝きました。ある意味、自身の活躍によって最速でマジックを点灯させたを自負していたでしょうから、今回のマジック点灯劇を見たら、驚きながらも『教え子』である高津臣吾監督にニッコリしながら賛辞を贈っていたのではないかと思います。つくづく亡くなってしまったのが惜しいと思う事態です。
このまま走り抜けるのか、途中失速するのか、クライマックスシリーズで何かが起こるのか。クライマックスシリーズの優勝が決まるまで、目は離せないと思います。