北アフリカにあるリビアで洪水が発生したというニュースが飛び込んできました。
・・・リビアって国土のほとんどが砂漠じゃないのかと思っていたんですけど、実際の映像を見ると、激しい雨が降って、ワジ(涸(か)れ川)、普段は涸れているのに、雨が降ったことで川のようになってしまったかのような雰囲気に。あちこちで浸水も発生し、都市の25%が消失したとも。
洪水が発生したのは、リビア東部のデルナという街を中心とした地域で、先述のように砂漠が国土のほとんどを占めている同国の中で、数少ない緑と肥沃な土地をたたえた地域でもあります。リビアで起こったアラブの春では、東部の最大都市であるベンガジや現在の東部側の政府が置かれているトブルクと並び反カダフィ政権の拠点の一つとなりました。
デルナ周辺で起こった暴風雨で街の南(上流部)にあるダムが決壊し、洪水になったそうです。死者が2000人ほど、行方不明者を含めると1万人になるという報道もあります。
普通の国なら、政府と赤十字などが救助活動を・・・となるのですけど、カダフィ政権崩壊後のリビアは、東西対立およびイスラム過激派との内戦を経て、西部のトリポリを中心とした国民統一政府と東部のトブルクを中心としたリビア国民軍が後ろ盾の国民代議院に分裂しています。統一政府を作る交渉も行われているものの、暗礁に乗り上げているとのことで、未だ解消される雰囲気は無さそうな中での洪水発生となり、東部の国民代議院(リビア国民軍)だけでは対処できない状況に陥っているようです。
大雨は東部の沿岸(ベンガジなど)でも記録されているとのことで、さらに犠牲者が増える可能性もあります。地中海を挟んだギリシアでも被害が及んでいるとのことなので、国際的な災害になる可能性もあります。
ともかく、この大規模な災害が発生している時に、東西が対立している場合ではない。しがらみやわだかまりはあるかもしれないけれども、今は一致団結して被災民の救済を図ってほしい。そのためには、国際社会や組織も協力を惜しまず、双方の(自称統一)政府に『本当の意味で統一』した動きをするように働きかけるべきだと思います。
幸い、西部の国民統一政府は東部の救済を求めています。東部の政府は、和解のいい契機になると思い、繰り返しになりますが、一致団結して救済への動きを見せてほしいです。