この作品は、後に「世界名作劇場」と称される一連のシリーズの第1弾になるものです。原作は児童文学になるのですが、アニメ化にあたり大幅なアレンジを施しているようで、オリジナルな部分も多くあるとのこと。それゆえか、パヤオがキレた(ゴミみたいな作品と評した)という話もあるとか無いとか(ニヤニヤ)。
しかし、何でこの作品を取り上げたのかというと、三重テレビが自社のアプリを提供開始することに伴い、再放送してほしいアニメの人気投票を行ったんです。その結果、この作品と「キャッツアイ」が再放送されることになったのだそうです。ちなみに、「フランダースの犬」が(土)24:30、「キャッツアイ」が(金)25:20と、深夜アニメの乱立地帯に放り込んだって誰も見てくれないと(以下略)。
あらすじはこう(以下PCではイタリック体で表記)。
ある村におじいさんと2人暮らしをしていた心優しい少年が住んでおり、おじいさんと共に牛乳配達の手伝いをして過ごしていた。
ある日、アントワープに牛乳配達の用事を済ませた帰りのこと、金物屋に虐待される犬を目撃する。その犬が、やがて少年の下で過ごすとは知らずに、そのかわいそうな姿を見ているのであった・・・。
というふう。
「フランダースの犬」といえば、悲劇的な最期を遂げるシーンが非常に有名で、アメリカではあまりにむごたらしいということで、現地発売の児童文学書では、主人公が息を吹き返し、死んだはずのお父さんが迎えに来てくれるというハッピーエンドに書き換えられてしまう逸話があるほど。そして、日本でもあまりに悲劇的最期が有名になってしまったがために、本編やその最期に向かうまでの過程はあまり語られることが無いように思われます。
で、第1話を見てみると、驚くほど穏やかな作風で目を白黒させるほど。あんな最期を遂げるふうだなんて(この作品を読んでいる人以外は)想像もできない。唯一、金物屋に虐待される犬のシーンだけが、そう暗示させるふうにはなっているのかなと思いましたが、それは知っているからこその感想であって、知らなければ、ただかわいそうだとしか思えなかったでしょう。
この先も、「世界名作劇場」と名を冠するだけあって、子供向けの温和な作品として進んでいくのでしょうけど、結末を知っている人にとっては、その穏やかさが不気味にさえ思えてならないでしょうね・・・。

