ある日、映像制作・ゲーム開発会社の社長さんが、社員15人とインターン生にPS5を支給すると発表しました。というのも、社員のほとんどがPS5を持っていなかったから。ゲーム会社なのにPS5を持っていないから(触れていない)というのはあり得ないと思ったそうですし、支給を決めた頃というのは、テンバイヤーによるPS5の転売が横行していた時期から徐々に解放されてきた時期に差し掛かっていたので、潤沢になってきたからというのもあったようです。そこで、起業から1年しか経っていないこともあり、将来開発したゲームのクレジットに自分の名が載っていることを確認する体験をさせたいという意味も込めて、PS5支給に踏み切ったのです。
社員の間からは、「元々欲しかったので、会社支給はうれしい」など、品薄解消に向かっていた時期とはいえ、買いたくとも買えなかった社員には好評でした。しかし、「もらえるのはうれしいが、もっとて買えるのは面倒くさい」・「家でも触ってない」という社員や「(社員旅行など)他の支給がいい」・「現金がいい」という社員もいたようです。そこは公平性もあるので・・・となだめたのだそうな。
しかし、今回のPS5支給に激おこだったのが税理士の方。
このPS5は経費として計上していました。しかし前代未聞の経費になるので、計上できるかどうか本人も疑問符が付いていたのです。そこで税理士の方に今回の件を早いこと話さないといけないのに、3月の確定申告の時期まで話さなかったのです。そして4月になって、50万弱になるPS5の経費が税務署から脱税扱いになるかもしれないとくぎを刺されてしまったのです。結果的にはそうならなかったものの、ゲーム開発会社という位置付けだったから脱税にならなかったという側面が強く、これがゲーム開発を行っていないただのIT会社であれば、脱税扱いになったのではないかと社長さんは述べています。
それでも費用対効果は高かったようで、この話がツイッター上に上がったことで、この会社に入りたいという応募も増え、実際に入社に繋がったケースもあったようです。
PS5が開発の上で必要なのかは正直わかりませんが、社長さんの込めた思いを慮って、いい作品を作ろうとかいい会社にしていこうとか、いい方向に進めて行ける原動力になるのなら、いい意味での必要経費や福利厚生になるのかなと思います。
今後も経営状況と税理士の方と相談しながら、経費になりそうなものなら社員に支給するとのこと。宣伝のためのものは、今回で最後にしないといけないのかもしれない(変にエスカレートしかねないから)。ただ、社員のためを思ったものが、図らずとも会社の宣伝になるのなら、それはそれでいいのかなとも思いますね。いい会社になってほしいものです。

