2011年09月04日

ボルト、有終の美

世界陸上テグ大会最終日。最後になって、ウサイン・ボルト選手をはじめとするジャマイカの選手達が見せてくれました


男子4×100mリレーで、ジャマイカが37.04秒という世界新記録で金メダルを獲りました。
ジャマイカ選手は最初からいいペースでバトンリレーができたのと、アンカーのボルト選手が200mで金を獲ったことで大きな重圧から解放されてかつ状態がよかったのが金メダルを取れて世界新を更新できた要因なのかもしれません。

ところで、このリレーは最後の最後で大きな波乱が起こっています
第3走者からアンカーのバトンパスの間で、アメリカの第3走者がバトンパスに失敗。どうも走塁妨害やテイクオーバーゾーンを越えたとかではなく、テイクオーバーゾーンに入る直前で転んでしまったようです(足がもつれたか?)。それに釣られてか、イギリスのアンカーもバトンを落とし競技を辞めてしまいました当初メダル候補と言われた2ヶ国がリタイアになったことで、ジャマイカの独壇場になったのも好因だったのかもしれません。
その波乱の展開で2位になったのはフランス。クリストフ・ルメートル選手が第2走者を務めていました。
3位にはセントクリストファー・ネイビスがリレー競技では初めてのメダルを獲得しています。もうこれは第1走者を務めた35歳のキム・コリンズ選手が大活躍したことが要因でしょう。他の選手も彼に刺激されて頑張ったんだと思います。
カリブの小国がここまで頑張ったのは実にすばらしい。他の小国といわれる国々にとっても、何かしらに特化すればここまでできるんだということを示したいい例になるでしょう。


他にも様々な競技の決勝が行われていますけれども、中でも男子三段跳びはハイレベルな争いになり、アメリカの新星で大学生のクリスチャン・テイラー選手が、今シーズン世界最高となる18m近い大ジャンプ(17.96m)で金メダルを獲得しました

そして女子800mでは、キャスター・セメンヤ選手が2位に終わり、マリヤ・サビノワ選手が世界陸上のロシア勢としては初(旧ソ連からも含めれば、1991年の東京大会以来久しぶりになる)金メダルを獲得しています


世界陸上、次回は2013年8月10日~8月18日までロシアのモスクワで開催されます


あ、今大会のマスコットを調べている方が多かったので、ここで書いておこうかと
テグ大会のマスコットは、サルビ(SARBI)という韓国で保護種とされている在来種のサプサルゲという犬。一時期サプサルゲに生えている毛目当てに乱獲が行われたことがあるそうな。


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Posted by alexey_calvanov at 22:00Comments(0)TrackBack(0)

2011年09月03日

ボルト、リベンジの金

世界陸上テグ大会8日目、ジャマイカのウサイン・ボルト選手が男子200mで金メダルを獲得しました。
ボルト選手の実力なら当然の結果ではあるのですが、ご存知の通り、あの時の悪夢がよぎっていた中、プレッシャーもあったかと思います。それをはねのけ、やってのけたボルト選手はやっぱり一流のアスリートなのだなと感じましたね。


ボルト選手は8/28の男子100m決勝でまさかのフライングを犯し、失格になってしまった経緯があります。あまりの悔しさにインタビューもままならない中、200mへ向けて黙々と練習を重ねている姿が印象的でした。それから6日経った今日、あの時の悪夢を払うかのように予選を勝ち抜き、金メダルを獲得したわけです。

3位に入ったのは、100mで4位に入ったクリストフ・ルメートル選手。白人選手が200mでトップ3に入ったのは、世界陸上では1987年のローマ大会以来とのこと。今後、『世界で最も早い白人選手』としてその名を聞くことになるのでしょう。個人的にはこれからが気になる楽しみな選手ですね。


そして、世界陸上も明日で終わりになります。
男子マラソンでは、『最強の市民ランナー』こと川内優輝選手が登場。トラック競技では、女子800mのキャスター・セメンヤ選手が登場します。また、男女とも4×100mリレーで日本選手が登場します。特に男子4×100mリレーは北京オリンピック以来のメダルが取れるかが大きな注目点です。
是非とも悔いのないようベストを尽くしてもらいたいものですね。


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Posted by alexey_calvanov at 23:07Comments(0)TrackBack(0)

2011年08月29日

室伏、悲願の金メダル

世界陸上テグ大会3日目、日本人選手が多く出場している日でもありますが、男子ハンマー投げで室伏広治選手が81.24mで見事金メダルを獲りました


室伏選手は予選から他を圧倒する投てきを見せていたんですけれども、この決勝戦でも1回目に80m近いスローを見せ、他の7選手にプレッシャーを与えてきました。その後も2投目に80mをオーバーして以降、3投目まで記録を伸ばし、6投中4投が80mオーバーというベストコンディションを見せつける立派な投てきでした。
ハンガリーのボルシュ選手といった強豪がいた中、本当によく頑張ったなと思います。


実は、オリンピックやアジア大会といった世界選手権では金メダルを獲っているものの、なぜかこの世界陸上だけは今まで金メダルを獲ったことがなかったのです。
期待されていた2007年の大阪大会では6位、前回(2009年)のベルリン大会ではケガの影響で出場すらできない状態でした。そして満を持して挑んだテグ大会でやっと金メダルを掴み取ったのです。
また、室伏選手は36歳で金メダルを獲得したというのも偉大なことですし、マラソンでしか獲得したことなかった金メダルを初めてマラソン以外で獲得したこともとても偉大なことです。


ちなみに、他の日本人選手はというと、男子400mの金丸祐三選手・女子100mの福島千里選手は共に準決勝で敗退男子棒高跳びの澤野大地選手は決勝戦を戦っている最中です。

外国選手の中で注目されていた男子400mに出場した『ブレードランナー』ことオスカー・ピストリウス選手は準決勝で敗退してしまいました。しかし、ここで走れたことは、きっと次のロンドンオリンピックに繋がってくるはずです。
また、女子4冠を狙うとされていたアリソン・フェリックス選手は残念ながら胸の差でアマントル・モンショー(ボツワナ)に敗れ銀メダルに終わっています


・・・しかし、織田雄二さんよ。まだ本番中なのに、「室伏ー!」って呼びかけるなよ(苦笑)。まぁ、それが彼のいいところなのかもしれんけど、はっちゃけすぎ(笑)。


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Posted by alexey_calvanov at 21:22Comments(0)TrackBack(0)

2011年08月28日

ボルト、まさかの失格

世界陸上テグ大会2日目の今日は、前日行われた男子100mの準決勝と決勝が行われました。
注目はやはり世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)。今回の大会でどこまで記録が伸ばせるのかもポイントになっていました。
予選・準決勝と勝ち抜けてはいたものの、準決勝の際のタイムが10秒台だった点が気になってはいました。それでも新記録はムリでも優勝はするだろうなくらいにしか留めていませんでした

ところが、決勝。
リラックスしていると思っていたボルト選手がフライング。本人もわかっていたのか信じられなかったのか、コースから外れた後も壁を叩いて絶叫するという悔しがり方でした。


本命なき混戦になってしまった男子100m。制したのはジャマイカの新星でボルト選手の練習パートナーでもあったヨハン・ブレイク選手
タイムは9秒92ながらも、決勝唯一の9秒台準決勝でも9秒台を唯一叩き出していただけに安定の走りとも言えるでしょう。

2位はアメリカで唯一残ったウォルター・ディックス選手
陸上王国とも言われ、カール・ルイスやリロイ・バレルといった記録保持者を何人も出したアメリカの陸上選手。それが全く見る影なくなっているのは、いささか残念ですね。

3位はカリブ海に浮かぶ小国セントクリストファーネイビスのキム・コリンズ選手
気が付いたら35歳なんだ(汗)。かつての世界陸上パリ大会の金メダリストもそんな歳になってたんですね。もはや大ベテランと言われる中で、これだけの走りができたことは実に立派だと思います。

そして、これから注目されるだろう選手は、4位に入ったクリストフ・ルメートル選手
1990年代以降、黒人王国だった短距離(100m)界。その中に割って入った唯一の白人選手でもあります。決勝で白人選手が走るのは実に約四半世紀ぶりの快挙なのではないのでしょうか?
彼の活躍を見るにつけ、アジア人(黄色人種)である日本人も何とか頑張ってファイナリストの中に食い込んでほしいものと思っています。


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Posted by alexey_calvanov at 22:37Comments(0)TrackBack(0)

2011年08月27日

世界陸上テグ大会で注目したい2選手

今日から世界陸上が韓国南部にあるテグで開幕しました。
午前中には初のメダル種目になる女子マラソンや各種目の予選が行われ、そして開会式を挟んで現在も競技が行われていますフィールドで初のメダル競技になる女子の10000mの他、ハンマー投げ・女子走り幅跳び・女子400m・男子100mなどが開催中です。


その大会の中で、日本人選手以外で、私自身が注目している選手を紹介しようかと
偶然というのか、今回紹介するのは、どちらも南アフリカの選手


1人目は、女子800mで登場するキャスター・セメンヤ選手
彼女は前回の世界陸上ベルリン大会で、きら星のごとくデビューした黒人選手で、長年破られることのなかったマリア・ムトラ選手(モザンビーク)が記録した大会記録を破ったことでも知られています。
しかしながら、風貌や声質で彼女は男性ではないかという疑いが掛けられ、セックスチェックを行ったところ、見た目は女性ではあるが、体内に精巣といった男性特有の臓器を持つ半陰陽(両性具有。いわゆるふたなり)ということがわかり、女性として競技に出る資格があるのかが1年近く審議されてきました
その結果、セメンヤ選手は女性であることが認められ、国際陸連も昨年の7月にセメンヤ選手が女性であることを正式に決めています

とにかく圧倒的で若さみなぎる走りが特徴的。若さという点では、まだ20歳ということもあり、今後10年はトップアスリートになるのではないかと思います。ロンドン・リオデジャネイロのオリンピックで注目の的になるのは間違いないでしょう。


もう一人は、オスカー・ピストリウス選手
彼は400mを主に走る白人選手ですが、実は両膝より下がなく、カーボン製の義足をはめて走る選手として知られています。これまでは水球やラグビーなどで活躍し、ラグビーで両膝をけがをしたため、そのリハビリのために陸上を始めたところ、その才能が認められ、陸上選手に転身しています。
陸上選手に転身後はパラリンピックで活躍し、他選手を圧倒する走りを見せた選手でしたが、さらなる飛躍を求めて健常者の大会に出たいと国際陸連に申請していました
ところが、国際陸連はカーボン製の義足が健常者に対して有利に働くのではないかという疑惑を掛けられ、最終的にはスポーツ仲裁裁判所で出場は認められたものの、2008年に行われた北京オリンピックには参加標準記録を越えられず出場できませんでした
その後は北京パラリンピックで400m・100m・200mの三種目を制覇今年の韓国の世界陸上の参加標準記録をクリアし、100mに出場する視覚障害のあるジェイソン・スミス選手(アイルランド)と共に、初めて障害のある選手が健常者の大会に挑むことになりました。

特徴としては、後半の伸びのよさが挙げられるでしょう。この後半の伸びがカーボン製の義足から来ているのではないかという疑いの元にもなっているわけですけれども、雨天時にはこの義足でも上手く走れない、また通常の場合でも扱いが難しいと結論付けられているだけに、この部分はピストリウス選手が持つ天性の才能なのかもしれません。
そのピストリウス選手が登場する男子400mは8/28予選・8/29準決勝・8/30決勝となるわけですけれども、8/28の予選が越えられるかが大きなカギになるでしょう。また、どこまで彼が健常者に通じるのかもポイントでしょう。


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Posted by alexey_calvanov at 23:06Comments(0)TrackBack(0)