2019年07月02日

実に下らない自粛

中日ドラゴンズ応援団は、中日ドラゴンズより不適切な歌詞があるということで、チャンステーマの一つである♪サウスポーの使用を自粛するとツイッター上で発表しました。球団関係者の発言らしいということでしたけれども、どうも与田剛監督の「お前より名前がいい。皆、名前があるんだから」という発言が発端なのではないかと言われています。この発言以外にも、「僕個人だけでなく、他球団にもそういう(お前が嫌だという)意見がある」と他球団でも持ち上がっている問題であることを臭わせる発言もしており、自粛以上(使用禁止)を求めていた可能性もあります。



このチャンステーマの歌詞には、♪お前が打たなきゃ誰が打つ!という文言があり、この点を与田監督はよろしく思っていなかったのでしょう。



中日のチャンステーマは、2013年に旧応援団が反社会的組織との関わりを理由に活動休止に追い込まれた経緯の際に、♪狙い撃ちをはじめとした応援歌も使えなくなりました♪サウスポーをはじめとする現行の応援団(2014年より活動開始)が使っている応援歌は、私設ではあるものの、中日球団の公募によってつくられた応援団なので、中日球団の意向には事実上従わないといけないため、応援歌を変える(旧応援団の著作権の絡みもあると思う)ことや今回の措置を受け入れざるを得なかったのかなと。

ちなみに、旧が旧応援団のチャンステーマになります。



元歌がピンクレディーの曲という点と高校野球などでよく使われる曲ということで、非常に知られているのもあって、時には他球団のエール交換で歌われることも。今年のオールスターでも確実に使われていたでしょうね。


色々言いたいことはあるけれど、まず言いたいのは、言葉というものは生き物である点時代の流れと共に、昔は使えた言葉がNGになることもあるし、その逆もある。そして意味が変わるケースだってある。
過去にサッカーのギラヴァンツ北九州の当時の応援団が「ぶちくらせ」という言葉を応援に盛り込みたいと言って騒動になり、最終的には応援団の解散にまで追い込まれたことがありました。北九州をはじめとする福岡など九州北部では、「ぶちくらせ」は非常にガラの悪い言葉で、繁華街で使うのをためらうほどの言葉だそうです。ただ、そんな言葉であっても、時代の流れで普通の言葉になっていくこともあったでしょう。北九州の当時の応援団の素行の悪さで、容認してもいいんじゃないかという流れがシャットアウトされてしまって、認められなかったけど、執拗に求めた結果、解散にまで至ったと思っています。少し今回の件とは違うんでしょうけど、敢えて。個人的には普通に使えるように皆が配慮していけば使えるけど、現状は難しいのかな(詳細)。

で、今回の件。
確かに「お前」という言葉は、聞こえ方によってはよろしくない場合もあるけれども、「ぶちくらせ」と違い、一般名詞化している言葉という点を忘れてはいけないのです。日常会話でも侮蔑的な意味合いでなくとも「お前」は使う。そんな言葉に、ただ侮蔑的な部分だけを切り取ってアウトにするのは、言葉狩りの極みだと思うんですわ。
確かに時代の流れで、「お前」もダメになっていく可能性はあるけど、現状は一般名詞化していて、不快に思う人の方が少ないと思うんですわ。そんな状況下でNGを出すのは、ホントにわからない。正直この話を最初に聞いた時、中日球団の成績の悪さに頭に来たファンが八つ当たりで言ってるとか、どこぞの団体が狙い撃ちしたんじゃないかと思っていたのですけど、他ならぬ身内からだもんなぁ・・・。開いた口が塞がらないですわ。


とりあえず自粛ということなので、来年以降歌詞を変えて使えるということなんだろうと信じて、今は耐えるしかないですね。中日ドラゴンズのファンに幸あれ、と地元ながらファンじゃない私でさえ、彼らのメンタルが心配である。


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Posted by alexey_calvanov at 23:55Comments(0)