2020年05月16日

二度漬けアカンと言えることを夢見るという不思議

大阪名物の一つ、串カツ。カウンター席やテーブル席にソースのたっぷり入ったブリキ缶が置かれ、そこに注文した串カツを浸すというスタイルが浸透しています。そして、このスタイルの最大のタブーが、二度漬け禁止なのです。もし二度目をしたい場合は、缶のそばないしは中にあるスプーンでソースをすくって掛けるという流れもあるにはあるのですが、たいていの場合二度漬けは、いかなる理由でも禁止になっています。

そんな串カツ屋も新型コロナウイルスの影響で休業しているそうです。ただ、先日の緊急事態宣言解除の話が出てから、大阪府ではまだ継続の中でも、吉村洋文知事は独自のスタイルで休業要請解除を模索していました。その独自のスタイルで定めた基準を守れていたため、今日(5/16)から一部業種を除き休業要請解除したそうです。もちろん串カツ屋も対象です。

じゃあ、二度漬け禁止のソースの入ったブリキ缶はというと、席から撤去され、代わりにプラスチック容器にソースを詰め、掛けるというスタイルに変更されました。この形態なら、二度漬けならぬ二度掛けもOKとのことだそうです。

お客の間でも店の間でも困惑しているというこの新スタイル、他の地域では一般的なんですよね。でも、大阪の人達にとっては、これがセンセーショナルな出来事として受け止められているようです。先述の吉村知事も、「『二度漬けあかん』は大阪の文化。僕もその文化で育ちましたから、ちょっと寂しい。また『二度漬けあかん』を復活させるのを夢見ながら、この期間は感染防止対策をお願いしたい」と述べています。


やってはいけないことを言えるようにしたいというのは、結構異例で不思議なことなんですよね。それだけ『伝統文化』だったのかと。もしや新手のギャグなんじゃないかと、大阪の府知事が体を張って述べたギャグなんだと言い聞かせようとも思いましたけど、本気なんですよね・・・。


もしかしたら、大阪の人達にとって、「二度漬け禁止」は『日常』なのかもしれません。ゆえにその一言を言えることこそ、彼らにとって日常が返ってきたと言えるのでしょう。そうなるように、できることを少しずつ。


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Posted by alexey_calvanov at 23:19Comments(0)