2011年02月02日

事は単純に進まぬ可能性が

エジプトがさらなる混沌に襲われています。
これまでほとんど姿を現していなかったムバラク大統領支持派が街中に現れ、同大統領を支持するシュプレヒコールを上げ始め、反ムバラク派のデモ隊と衝突。その際に死傷者が出たと伝えられました。

丁度午後10時になる前、NHKのニュースが終わる頃にこの状況が流れたのですけど、怒号と怒号のぶつかり合いで、かつ人の波の流れがこれほどくっきりと出るデモも久しく見ていないなと思いますたいていこれまでの図式が『デモVS治安部隊』というふうだったので、国民同士が衝突するという事態はそうそう見られるものではありません。しかもあれだけ大規模(確か首都カイロのデモでは10万、全土では100万のゼネストが呼びかけられていただけに)なものは・・・。


これにより、単純に『ムバラク政権が倒れることで第1章が終わり、反ムバラクで結束した勢力が割れる第2章が始まる』という流れは無くなるかもしれません。ただ、これによってムバラク政権は首の皮1枚繋がったなと見られそうです
ただ、この親ムバラク派のデモは当局の扇動によって行われたものという未確認情報(ネットのニュースでは出てこず、NHKでのみ伝えられたため)もあるため、もしかすると、先述のような単純な動きに戻るかもしれません
だからと言って楽観視はできず、下手をすればさらなるカオス、つまり内戦状態に陥るかもしれません。これはアメリカも恐れる事態になるでしょう。

もちろんこれまた先述の通り、反ムバラク派の結束も打倒までが一緒で、その後の統治は全く食い違っています。これも内戦に発展する要因になりかねません。トルコのように合法的手段で終わればいいものの、ムスリム同胞団という反ムバラク派のイスラム政党がアルカイダとのつながりがあるとされる政治団体のため、以前の記事で書いたように、グルジアのような流れか『民衆支持』を隠れ蓑に一気にイラン化するのかもしれません


どちらにしても予断を許しませんし、さらなるカオスな展開も起こり得るでしょう。今後の世界経済や情勢・日本経済にも影響を与えかねないので、しばらくは注視すべきでしょう。


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Posted by alexey_calvanov at 23:58Comments(0)TrackBack(0)