2020年08月11日

鶏口となるも牛後となるなかれ、烏合の衆より確固たる信念

国民民主党が分党を決意したようです。基本理念の面で立憲民主党と折り合いが付かなかったため、玉木雄一郎代表が理念や政策に違う人間が集って無理矢理党を作っても、過去の反省を生かせないと述べ、国民民主党を解党したうえで、残存勢力と地方組織で新党を一から立ち上げるとのことです。


国民民主党とは、2018年に当時の最大野党だった民進党が小池百合子都知事の率いた希望の党設立の過程で立憲民主党と分裂した際残った議員(主に選挙の無かった参議院議員)と、その後衆議院議員選挙で希望の党が惨敗となり、これ以上党としてやっていけないと判断した希望の党の議員が合流してできた党です。
いわゆる改革は行うとしているものの、政策的には中道とされています。しかし憲法改正に前向きで、原子力発電の再開もポジティブとも言われており、憲法改正・原子力発電再開に反対している立憲民主党とは対極の立場にあります。


今回合流に積極的なのは、立憲民主党だけでなく、支持基盤の連合といった労働組合で、今後国民民主党が新党となった際、連合の支援を得られるのかが課題になってくることでしょう。


ただ、理念も無く一本化したところで、待っているのは政党として破綻するという事態です。
過去、新進党という政党ができた時も、結局は政策を一本化できず、左右両派の主導権争いで空中分解していきました。民主党が政権を取った時も、結局は社民党も絡んだ主導権争いで政権運営がままならなくなりました
今回の立憲民主党に一本化も、本音を言えばその通りだと思います。野党が一つになって戦わなければ、与党には太刀打ちできないでしょう。しかし、理念なき党は例え一つになれても烏合の衆で終わります。ましてや国民民主党の党員は立憲民主党内で相当な冷や飯を食わされるのではないかと思われます。新しい党名も立憲民主党が『立憲』の名を入れたいと言っている時点で、彼らを冷遇したい可能性が高かったとも言えます。
ならば、立憲民主党に付いて行くよりも、独自路線という確固たる信念を打ち出して、国民に訴えるしかないと思うのです。現状は埋没していますけれども、今回の一件で自分達のやりたいことを打ち出せれば、党員の数が少なくとも、国民の支持は固いと思います。提案型の野党として、自民党とも立憲民主党とも違う立ち位置を発揮できれば、次の選挙でも存在感を出せるでしょう。


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Posted by alexey_calvanov at 23:40Comments(0)

2014年05月28日

かねてからわかっていた協議離婚

石原慎太郎・橋下徹両氏が共同代表を務める日本維新の会が、名古屋市内で協議した結果、分党するという結論に達したそうです。事実上の協議離婚となったわけです。


日本維新の会は、橋下共同代表が設立した大阪の地域政党の大阪維新の会の全国組織版とも言える政党だった旧日本維新の会石原共同代表が設立した太陽の党が合併して設立されたもので、その当時は太陽の党が吸収合併されたとまで言われていました。しかしながら、石原さんは日本維新の会の初代代表に座ることになり、代行(当時)になった橋下さんより存在感がある、下手をしたら乗っ取るのではないかとまで言われたほどです。
当初はその二人三脚も上手く行き、衆議院では第3党にまで躍進していました。しかし、東日本大震災以降、そのほころびが見えてきて、その度に解党ないしは分裂の危機が叫ばれました。特に大きな食い違いは、原発政策・自主憲法の制定の是非、そしてみんなの党(みんなの党分裂後は結いの党)との合流の是非です。


今回分党の意思を表明したことで、旧太陽の党に所属していた議員を含めた10人程度が日本維新の会から離脱するものと考えられています。詳細は明日(5/29)以降の石原共同代表の会見で明らかになるとのことで、状況次第では予断を許さないふうになるでしょうね。


しかし、かねてから言われていた分裂は不回避になり、世間の予想通りの結果になったとも言えて、残念でもあり、バカだなともいえるふうですし、こういうのが政治不信を招くんだよと。民主党の時(いや、野党だった自民党の頃からか)から散々やらかした野党のゴタゴタは、いつまで経っても直らない。これじゃ自民党の『独裁政権』は続きそうですな。

恐らく、旧太陽の党に付いていく人達は10人では利かないでしょう。若手・中堅の一部が付いていくとのことなので、石原共同代表などの支援で当選した人達が、その中に含まれそうですね。
また、たちあがれ日本か太陽の党の名称を復活させてこれから先挑むのでしょう。あとは、橋下共同代表がいかに引き締めを図るかになってくると思います。最悪除名も出てくるのはないかと思いますね。そうやすやすと平和裏に終われるわけがない。


さらに、今後の政界再編にも影響が出るでしょう
日本維新の会は問題なく結いの党との合併に移行すると思います。
残った旧太陽の党の人達は、もしかすると基盤がぐらついているみんなの党との合併を視野に入れてくるのではないかと思います。発言力の低下が避けられないため、少しでも存在感を大きくしたいというのがまず一つ。さらに、政策的には近い部分が多いというのも理由でしょう。何より、渡辺元代表が政治資金の一件でやらかし、新しい代表の下でも求心力の低下で危機的状況であるのは変わっていないはず。そうなるとカリスマ性がある石原共同代表を担ぐ勢力が出てきてもおかしくないわけで、全部を吸収できなくても、過半数を吸収できれば存在意義が高まるのではないかと思います。

そして、名古屋の地域政党である減税日本にも影響を及ぼすでしょう。
なぜここでこの政党が出てくるのかというと、現在生き残りを掛けて結いの党や日本維新の会との合流を視野に入れているからです。しかし、元所属議員がいることに憤りを隠せない河村市長が彼らを外せと息巻いているそうで。もちろんそんなのには乗れない日本維新の会と結いの党の関係者。
来年の統一地方選挙にまで時間のない河村市長は、ウルトラCで石原共同代表に擦り寄ってくるんじゃないかと見ております。まだ誰も元所属議員がいない今がチャンスと電撃的に会談を仕掛けてくるのではないかと個人的には見ています。
しかし、過去に行った際には物別れに終わってるのよねぇ・・・。かなり厳しい交渉になると思いますし、河村市長と石原共同代表とソリが合うとも思えない。いっそのこと共倒れ・・・いえ、何でもありません。


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Posted by alexey_calvanov at 23:52Comments(0)TrackBack(0)