2019年08月22日

トランプ大統領「How much is Greenland?」

バカか冗談かと思ったら、結構本気らしいよ。


アメリカのトランプ大統領が、デンマーク領であるグリーンランドを購入したいと言い出した。デンマーク側に打診したものの、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は拒否。そもそも売り物ではないとデンマークとデンマーク領グリーンランドの自治政府も猛反発したのです。
そうしたら、拗ねてしまったのか、トランプ大統領は、デンマークの元首であり女王のマルグレーテ2世の招待をキャンセルしてしまったのです。その中に組み込まれていたフレデリクセン首相との会談もキャンセルになりました。


何でグリーンランドが欲しいのか?答えは簡単。そこに資源が眠るから。今でこそ分厚い氷河の中に眠っているものの、昨今の地球温暖化で氷が薄くなり、資源を掘りやすくなるという算段が働いているのではないかと。トランプさんよぉ、アンタ、地球温暖化なんてまやかしだとか言っていたやんけ!
そしてもう一つの理由、アメリカの防衛上重要だから。ここに軍事基地があれば、ロシアをはじめとするヨーロッパににらみを利かせられるからでもあります。


ところで、相手の国の土地なんて売り買いできるのとか思った方もいるでしょうけど、意外にも買収や買い取りということが行われています
アメリカはその最たる例で、東部13州で独立した後、現在の中部やフロリダはフランスやスペインから買収した土地でもあります。
またアラスカはクリミア戦争で財政難だったロシアから格安で手に入れた土地でもあります。当時は毛皮を産物にしていたものの、それも枯渇していたそうで。何にもなかったアラスカは、ただの冷凍庫と揶揄される土地だったんですよ。ただ、後に石油が出たのですから、ロシア(石油の出た頃はソ連でしたが)は大損ですわね。

で、デンマークに購入の打診をしたのは今回が初めてではないんです。
アメリカのグリーンランド購入は過去に2回検討されたことがあり、1回目は1860年代にアンドリュー・ジョンソン元大統領が、2回目は194年にハリー・トルーマン元大統領が、それぞれ検討しています。トルーマン元大統領の時には1億ドル(当時)という買収価格まで提案していたほどなので、アメリカは結構本気で考えているんですね。トランプ大統領の狂気の沙汰だとばかり思っていましたから。ちなみに、1867年のアメリカ国務省の報告書で、グリーンランドはその戦略的位置や豊富な資源から、理想的な購入対象とされていたそうです。結構本気なレベルだぞ・・・。
ただ、グリーンランドは失敗しましたけど、過去にデンマークとの取引が成立しているんですよ。その場所はカリブ海に浮かぶヴァージン諸島の西半分当時デンマーク領だったヴァージン諸島の西半分は、1917年に2500万ドル(当時)で購入しているんです。なぜ買ったのかというと、当時は第1次世界大戦中で、ドイツ軍がパナマ運河を占拠・利用しないように目を光らせるためだったそうです。


さて、グリーンランドそのものは、どういう立ち位置なんでしょうねぇ。
先程からデンマーク領と言ってますけど、正確には自治領で、ある程度の政策は自分達で決められますが、実はグリーンランドに住むイヌイット達は独立を視野に入れているようです。現状デンマークは独立を認めないようですが、自治権の拡大は行っており、将来的にはコモンウェルス的な立ち位置になっていくのではないかと思います。


気になるのは、今回の購入をきっかけにトランプ大統領がデンマークにアメを投げ込むんじゃないかと。独立は無理でも、アメリカの州と同じ権限を与えるなんて言ったら、どう転ぶんでしょうかねぇ・・・。


個人的には、よその国の土地を売り買いすることというのは、前時代的な行為だと思うんですよ。平和的に譲渡されるというふうなら、まだわかりますけど、カネが絡むのは、あんまりよろしいことじゃないですよねぇ。もちろん、血を流すのはもってのほかですけど。


ただの狂気の沙汰で終わってくれることを願います。仮にアメリカに渡ったら、彼は何をするかわからないから。


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Posted by alexey_calvanov at 23:18Comments(0)