2013年09月27日

イチロー・落合でさえも一目置いた大打者が遂に引退へ

今年は偉大な選手が引退する年になりそうですが、また一人一時代を作った偉大な選手が引退することになりました。
広島で約四半世紀(24年)プレーした前田智徳選手が引退をすると発表しました。


前田選手は1989年にドラフト4位で入団。ルーキーイヤーから類稀なるバッティングセンスをいかんなく発揮し、スタメンを獲得。1994年までクリーンナップの一翼を担いながらも3割を維持(得点圏打率も3割以上)する脅威的な成績を持った選手でした。

ところが、前田選手に大きなアクシデントが襲いかかってきました。
1995年のシーズン初め、右足のアキレス腱断絶によりその年のシーズンを棒に振ってからは、ケガとの戦い・以降古傷になるアキレス腱のご機嫌取りをしながら試合を進めるという精神的にも厳しい中でのシーズンを迎えることになります。
しかしながら、類稀なるバッティングセンスだけはケガに泣かされた後も健在で、ケガで棒に振った2000年・2001年、そして2003年を除いて常に3割を維持しています。
ただ、年齢による衰え・若手育成のチーム方針、そして2000年に代表される左アキレス腱の悪化などケガが多発したことによって特に2007年以降スタメンを外れることが多くなり、以降は代打の切り札として出場することが多くなりました

現役生活を終えるきっかけになったのは、今年4月にヤクルトの江村選手からの死球。これにより左手首が折れ、リハビリ生活になったものの、上手く回復しなかったため引退を決意したと言っていました。今シーズンの体調は万全だったと本人が言っていただけに悔いの残る引退になった・・・のかと思いきや、「引き際はとっくに失っていた」と早い段階での引退をしたかったことを示唆する発言をしているので、もしかすると辞め時を探していたのかもしれません。


ちなみに、ストイックな選手としても有名で、高校時代には理想の打撃ができなくて、試合中でも練習中でも泣きじゃくって動かない・自身のふがいなさに突然怒り出す、逃げのピッチングをしている相手に対して怒号を投げるといったことをやっていたと言われています。プロ時代にも、前述のケース以外にもアキレス腱断絶後に放った自虐的な一言(「(あのケガで)前田智徳という打者は死にました」・「あれは高校生が打っているんです」など)からもわかるように、あの大ケガ以降理想的なバッティングができなくなっていることに対し悲観的なっているのがわかります。
それでもなお、努力型でかつケガに相次いで見舞いながらも常に練習を欠かさなかったことから多くの選手に慕われ、打撃センスに関しては落合博満さんも「彼のバッティングはマネした方がいい」と、イチロー選手でさえも「理想は前田さん」と一目置いているほどでした。


まぁ、ホントに前田選手というのはスタメンでも代打でもすごい選手で、約四半世紀プレーして生涯打率が3割越えで終わるというのはあり得ない数字ですね。そしてファンにとっても選手にとっても広島の精神的支柱になっていたことが様々な証言や一言、また近年の広島を扱う書籍から見ても明らかです。だって、前田健太選手が来るまでは、広島で『前田』と言えば彼のことでしたもの・・・。


残り少ない中、試合に出られるのかが不安ですけど、最後の雄姿をファンの前に焼きつけてほしいと思っています。本当にお疲れ様でした。


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Posted by alexey_calvanov at 22:43Comments(0)TrackBack(0)