原田さんがマクドナルドの会長に就任してから、マックという会社は果たして良き方向に改善されたのでしょうか、それとも更なる悪化を招いたのでしょうか。正直この評価というのは、もう少し先になるまでわからないのではないかと思っていますけれども、現在の状況を考えると、良き面よりも悪しき面が際立ってしまったのかなと。
功績としては、短期間で利益を上げ、安売りというイメージだったマックの商品に付加価値を付けようと努力した点でしょうか。創業者の藤田田(でん)さんの経営方針から180度転換して、効率化とプレミアム化を図っていき、実際成功していった例もありました。
しかし、その行き過ぎた効率化によって、マックの現場が疲弊し、遂には食品への異物混入事件や期限切れ商品を提供していたのではないかという事件にまで至ったのではと思います。またある種の傲慢でメニュー表を無くそうとした事例や60秒以内提供サービスはマックの労働者だけでなく楽しみにして来てくれたお客様を精神的に追い詰めたものとなったと思っています。その他コーヒーのおかわり廃止や深夜帯の座席を無くしてネットカフェ難民の実質的な締め出しを行うという傍から見れば温かみの無いサービスを平然とやる姿には、少し考えさせられるものがありました(後者の場合は、必要だとは思うものの、もう少しやり方があるのではとも)。
とにかく、「原田動くところ問題アリ」と言われてもおかしくない、功罪共に派手な人でありました。今後を引き継ぐことになったカサノバ社長は、この窮地に陥ったマックをどう立て直すのでしょうか。
ちなみに、原田会長はベネッセの会長も務めており、こちらの業務は引き続き行うとのことだそうです。しかし、ここでも個人情報の流出問題が起こっており、会長の責任ではないとはいえ、やはり「原田動くところ問題アリ」となってしまっている感が否めません。今後屋台骨が揺らぐようなことが起こらなければいいのですが・・・。

