今年は、大物の引退が年早々から起こるとは・・・。
最初は、レスリングの女王とも言える吉田沙保里選手の現役引退。突然の引退発表で驚かれた方も多かったことでしょう。
吉田選手はもう説明するのも恐れ多い。アテネ・北京・ロンドンのオリンピックで3連覇。レスリングの世界大会では男子レスリングの鉄人と称されるアレクサンドル・カレリンさんの記録を破る13連覇と前人未到といわれるような記録を残しています。リオデジャネイロオリンピックでは日本の主将を務め、銀メダル。それでも大きかったプレッシャーの中での偉業なのですから、立派なことだと思います。
その他、国民栄誉賞・三重県県民栄誉賞・津市市民栄誉賞を受賞し、地元には彼女の名を冠したスポーツ施設サオリーナもあります。そして彼女が在学し、後に練習場所にもなった至学館大学は、女子レスリングの聖地になろうとしています。
そして、ほぼ同じ時間に発表されたのが、名古屋グランパスでゴールキーパーを務めた楢崎正剛選手の現役引退。
1995年に横浜フリューゲルスに入団し、1年目からレギュラーで活躍。1998年ワールドカップの日本代表にも選ばれ、以降2010年までの4大会連続代表入りを果たしています。
しかし、経営難から横浜フリューゲルスが消滅。以降は名古屋グランパスに移籍し、正キーパーとして20年近くゴールマウスを守り続けていました。ただ、ここ数年は若手にレギュラーを譲る機会が多くなり、さらにオーストラリア代表のランゲラック選手の加入で、2018年は1年ベンチ外となってしまいました。
奇しくもこの日は、中沢佑二選手も引退を表明し、日本代表の一つの時代が終わったのかなと思わされました。
今回の引退劇、私個人としては大きく驚きませんでした。来るべき時が来たんだなというふうでしたね。吉田選手もリオデジャネイロオリンピック後には試合に出ていなかったですし、楢崎選手も去年は1試合も出ていなかったので、そろそろだろうなとも。楢崎選手は引退前に契約満了を突き付けられていたのもあり、移籍先の報道も出ていた(楢崎選手にはV・ファーレン長崎、京都サンガF.C.やJFLの奈良クラブへの移籍話が出ていた)ものの、『横浜フリューゲルス』を守るために移籍をためらったという話を聞けば、もしかしたらとは思っていましたからね・・・。
最後に吉田沙保里選手、楢崎正剛選手、そして同じ日に引退を決めた中沢佑二選手、福岡ソフトバンクホークスの摂津正選手、本当にお疲れ様でした。今後は後進にこれまで培った苦労と経験を伝えていって下さい。