2012年10月31日

名古屋に外国語放送局の灯が再び灯るのか

外国語放送局、平時には洗練された洋楽や多言語放送の利点を生かして、生活情報をラジオの電波に乗せて届けること、緊急時には多言語による震災情報・救援情報・復興情報をラジオの電波に乗せて届けることを使命としています。ただ、それだけでは経営面で不利になりかねないので、時間帯によっては日本人リスナー向けの番組構成に切り替えているところもあります。

その外国語放送局のネットワークがMegaNet(メガロポリスネットワーク)
現在、東京を中心とした南関東圏をエリアとするInterFM(エフエムインターウェーブ)、関西圏を中心とするFM COCOLO(FM802の第二放送的な立ち位置)、福岡・佐賀を中心とするLove FM(ラブエフエム国際放送)の3局があります。
しかし、ここにはもう一つ放送局がありました。かつて愛知・静岡西部を中心としたRADIO-i(愛知国際放送)があったのです。
RADIO-iは愛知万博開催を見据えて、興和を中心とした東海地方の財界陣が出資して立ち上げたFM局で、東海地方に住む外国人のための放送局としてスタートを切りました。
ところが、開局後は慢性的な赤字が続き、あまりのひどさに興和の子会社として再スタートを切ろうとした矢先、リーマンショックに襲われ、興和の経営も危なくなる可能性があるということで、2010年9月末で放送の打ち切り、つまりは廃局になったのでした。この廃局は東海地方ではちょっとした話題になり、ローカルニュースでも取り上げられるほどでした。
それでもなお、一部からは外国語放送局再開の声はなかったわけではなかったようで、実際に元RADIO-iスタッフによるインターネット放送も立ち上げられたほどです。

その声がやっとInterFMを通じて届き、InterFMが2014年の春を目標に『復活』させることを発表しました。それによれば、来年の5~7月までには総務省に届け出を行うとのこと。


実際、存在的な需要が多いのは事実で、RADIO-i当時の公式エリアの愛知県や静岡県西部にはブラジル人コミュニティが多いのはよく知られていますし、同じく公式エリアから若干外れた美濃太田(多治見市)にもソニーの工場があった関係でブラジル人を中心にした外国人コミュニティがあります。また観光地である高山市や伊勢市のように、外国人が多く訪れる場所もあるので、今回の事実上の復活で東海3県(+浜松)へのエリア拡大を切に願っております
ただ、InterFMの支援もいつまで得られるかわからないものですできるだけ早い段階で自立できる(つまりは赤字にならない)組織作りをしていかないといけないと思います。
もっと早くという声もあったかもしれませんが、恐らくかつてRADIO-iに所属していた人が書いていた「閉店を知らせる張り紙をぎりぎりまで出さず、受け継ぎたいとせっかく手を挙げた人がいても、『遅すぎましたねぇ。』で済ませようとしています」にあたる部分だったのかもしれません。


外国語放送局の利点を生かしながら、かつ日本人リスナーへの魅力を引き出せないと、また廃局の危機に陥るのではないかと思えてなりません。
だからこそ、今のうちに言っておきたい、『No more RADIO-i』


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Posted by alexey_calvanov at 23:59Comments(0)TrackBack(0)