2011年06月27日

岐路に立つテレビ塔

名古屋市中区にある栄地区。言わずと知れた名古屋市の中心地のひとつであり、市内有数の繁華街でもあります。
その中心に建っているのが名古屋テレビ塔(以下テレビ塔)。国の登録有形登録文化財として、栄地区の象徴や観光スポットとしてだけでなく、東海3県のアナログ放送(NHK総合および教育・CBCテレビ・東海テレビ・名古屋テレビ)の電波を放出する電波塔としての役割も持っています。
電波塔としての役割は今年の7月24日、つまりアナログ放送の終了をもって終わることになります。
既にポスト電波塔として、観光スポットの面としてのテレビ塔を強化しており、かつて30mからの展望が見えるエリアだった3階と4階はレストランとギャラリーになり、新たな観光客や市民の取り込みを図っています


ところが、思わぬところで岐路に立たされようとしています
アナログ放送の電波塔としての役割を終えるため、その施設が置いてあった部分を飲食・物販スペースとして改築を予定し、2013年のリニューアルに向けた基本計画を策定するとしていました。ところが、耐震改修費の15億円がテレビ塔を運営する会社がねん出できないということで、出資者の一つである愛知県と名古屋市に泣き付いてきたわけです。
当初は、「名古屋市(ここで言う名古屋市とは職員や議員・市長という意味)だけでは決められないので、市民の合意が必要」として回答を保留し、今年夏(つまりは地デジ移行以降)の着工の延期と規模の見直しを求めてきました
もし、名古屋市・愛知県からの支援が得られなければ、収入(3億円)のうち、3割(約1/3)にあたり、アナログ放送機器設置料にあたる1億円が吹っ飛んでしまった後では、観光業だけでの収益だけでは耐震改修費をねん出できないため、最悪の場合、テレビ塔解体にまで至ってしまうとしているわけです。

そういった危機感からか、出資者の長でもある河村名古屋市長が、「国の有形登録文化財なので壊すということはないだろう。個人的な意見ではあるが、解体は絶対にない。名古屋のシンボルとして残したい」と発言広く市民に意見を求める意向を明らかにしています。


確かに、名駅の超高層ビル群が立ち並ぶ中、名古屋城と並び名古屋のシンボルとして残ってほしいのが本音です。
ただ、テレビ塔を残すためにいくら使うのかは気になるところでもあります単に15億円で終わるのか、それともさらに増大するのか・・・?この点が解消されない限り、難しいでしょう。
国の登録有形文化財であるので、河村市長の言うように、そうやすやすと壊されるとは思っていません。私自身は、市民が名古屋の象徴として残そうとする動きが残っている限りには、壊さまいと思いたいです。

税金をつぎ込むのは最後の手段として残しておいて、当面は募金活動から初めていくべきではないかと思います個人だけでなく、産業界からも積極的な活動を行っていけば、時間はかかれど必要とされる15億円は達成できるものと思います。


ぼくらの名古屋テレビ塔 (名タイ昭和文庫)ぼくらの名古屋テレビ塔 (名タイ昭和文庫)



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Posted by alexey_calvanov at 22:44Comments(0)TrackBack(0)