ところが、一旦現役引退を表明したのにもかかわらず、再契約となって現役復帰することになる選手もいるのです。しかも長いブランクが開いたうえでの復帰ではなく、すぐの復帰で。
その人は、児玉剛選手。昨年まで所属していたFC東京を契約満了となり、どこからもオファーが無かったことで、今年1月には現役引退を表明していました。しかし運命の歯車が、とあるところで大きく動いたのです。
その場所は、名古屋グランパス。ミッチェル・ランゲラック選手がオーストラリアに帰ってしまったことで、キーパーの枠が空くことに。そこで名古屋は、シュミット・ダニエル選手を獲得し、後釜に据える予定だったのです。
ところが、ダニエル選手がキャンプで大ケガをして離脱したことで、名古屋のスタメンプランが大きく狂うことに。とはいえ、控えキーパーも素晴らしい選手だし、彼らでやっていけばいいのに・・・と思ったのですけど、名古屋の運営は納得しなかったんでしょうね。ダニエル選手の代わりになるないしはセカンドキーパーになる選手を探していたようです。そこで白羽の矢が立ったのが、引退した児玉選手だったのです。
ダニエル選手のケガが右膝内側半月板損傷とのことなので、かなり長期の離脱になることもあっての補強なんでしょうけど、恐らく1年のみの契約という見積もりでしょうね。そしてメインに据えてではなくセカンドキーパーないしは緊急時の出動とか限定的なんでしょうなぁ。
ちなみに、長くブランクの開いた中での起用例でいけば、藤枝MYFCに所属していたシジマールコーチが、ゴールキーパーの相次ぐケガで選手枠が足りなくなり、急遽選手登録されてベンチ入りしたということがありました。その時は試合に出ること無く、選手も復帰できたことから、すぐに登録抹消となり、コーチ業に戻ったそうです。
そうなると、児玉選手は事実上のコーチ枠兼任・・・とも思ったんですけど、コーチには楢崎正剛さんがいらっしゃるのよね。だったら、楢崎さんの復帰の方が話題性もあっていいんじゃないかと思ったけど、話題性じゃJ1は生き残れないと判断したんでしょうな(ニヤニヤ)。その点では、いい補強だったのかもしれません。

