2016年06月18日

ロシア陸上選手、リオオリンピックに出場不可に

国際陸上競技連盟(IAAF)はウィーンで理事会を開き、ドーピングに関わったロシアの陸上選手達をリオデジャネイロオリンピックには参加させないことを決議しました。ただし国際オリンピック委員会(IOC)は、ドーピングに関わっていない選手は個人参加として参加できるようにするという可能性も残しています


どうしてこうなったのかというと、2014年11月にドイツ公共放送連盟(ARD)が放送したドキュメンタリーがきっかけ。その中で、ロシア選手が組織的なドーピングおよびそのもみ消しを告発し、2015年11月にIAAFはロシア陸上競技連盟を資格停止処分を課し、以降国際競技大会に出場を禁じられることになりました
以降、ロシアの組織的なドーピングとそのもみ消しは留まるところを知らず、さらにはロシアのスポーツ相が関与していたのではないかという疑惑も浮上ドーピング問題は国家的な関与さえ疑われました(ちなみに、今回は陸上だけですけれども、陸上以外にもドーピングの疑惑が持ち上がっています)。

資格停止解除のために、ロシアの陸上競技連盟は人事改革などを提示し何とか解除してもらえるように動いたものの、過去のドーピング疑惑が次々と発覚し、検査逃れ・検査拒否・検体のすり替え・抜き打ち検査の事前通告・検査官へのワイロや買収・ロシアのドーピング機関を事実上国家の管理下に置くなど問題行動も多かったこと、あまつさえ資格停止のコーチが指導を行っていたこともわかったことから、改善は不十分と判断。今回の処分に至ったわけです。


ただし、全ての選手が対象になるわけではなく、前述の通り個人参加として出場する道は残されました。ただし、その基準は非常に厳しく、国外活動していて組織的ドーピングに関与していないことを明確に証明できる選手やロシア国外で信頼性の高い薬物検査を受ける選手などが対象になるそうで、有資格者は4・5人ほどしかいないともされています。


もちろんロシア陸連は猛反発法的措置も検討するというふうに。開催まで時間がない中、泥沼の様相を呈してきました。


ロシアの陸上は、旧ソ連時代からすごい選手が多いというのはご存じの通り。しかし、旧共産圏は組織的なドーピングが横行しているというのは、昔から言われていたことでもありました国威発揚と入賞することで得られる特典や特権が欲しいがために難なく受け入れられていたことが大きな理由となります。


ドーピング撲滅のためなら、ここまで処分を施すことは重要なのだと思います。ただ、この処置はロシアだけでなく世界中の国で横行している可能性があるのです。だからこそ、見せしめのためにロシアをやり玉に挙げるのではなく、他の国にも同様の精査を波及させるべきではないかと思います。他の国でも同様なドーピング問題があふれ出ているのですから。
しかし、だからといってロシア陸連に温情を与えるべきだとは思いません。ロシア陸連はこの処置を厳粛に受け止め、国との関与をきちんと断ち切り、最もクリーンなドーピング対策を施している組織に生まれ変わることを願っています。


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Posted by alexey_calvanov at 23:19Comments(0)TrackBack(0)