奇しくもアマチュア野球で2つのチームが設立される運びとなりました。
一つ目は、岩手県宮古市に設立される「三陸鉄道キットDREAMS」。
宮古市にある現在再建中の田老野球場を本拠地にし、三陸鉄道の社長がオーナーとなりチームを編成。ゼネラルマネージャーはかつて楽天に所属していたマリナーズの岩隈久志選手、監督は宮古市の山本行徳市長が務めることとなりました。
チームは地域密着を目指して運営されるそうですが、田老野球場のこけら落としイベントとして全国の草野球チームを集めて全国大会を来春実施する計画も明らかにしています。またマスコットは「キン肉マン」に登場するバッファローマン(岩手県の肉牛である短角牛をイメージしたもの)、応援ソングは宮城県仙台市出身のMONKEY MAJIK(モンキーマジック)が担当します。
正直、草野球とはいえ掛かるお金は相当なものだと思います。三陸鉄道をはじめとする地元が支えてくれるということらしいですが、メインスポンサーの三陸鉄道でさえやっと黒字が出たというふう。それでも地域のために何かをするということと、地域の活性化のためにカネは惜しまないという姿勢は非常に立派だと思います。苦労するとは思いますが、何とか軌道に乗ってほしいものです。
もう一つ目は、名古屋市にある味噌カツ屋チェーンの「矢場とん」。この「矢場とん」が社会人野球チームを立ち上げると発表しました。
「矢場とん」は、戦後に開業した味噌カツ屋で、近年の名古屋めしブームにより全国にチェーン展開しました。また「矢場とん」はナゴヤ球場時代から店舗を出していた関係から野球にも造詣が深く、かつ中日ドラゴンズをはじめ多くの野球選手に親しまれてきました。
今回社長が野球を通じて人間教育をさせたいという理念の下で設立。2012年に入社していた元中日・日本ハム選手だった藤王康晴さんが監督に就任します。来年の4月初めをメドに活動を開始する予定で、愛知県の野球連盟に申請しているとのことだそうです。
今後新規採用者から野球部に入部希望者を募り、既に入社内定者20人の中から8人が参加をする意思を示しています。なお、ステートアマ的な野球漬けいうふうではなく、グループ社員として在籍すること、つまり働きながら活動することが条件になっています。
近年社会人クラブが会社の売り上げ低迷により縮小・廃部と言う話題をよく聞きます。その受け皿として、アマチュアのクラブチームもなくはないですが、その活動はなかなか厳しいと言われています。そういった流れの中で、きちんとした理念を持ってやっていこうという姿勢を見せるのはいいことだと思います。特に「矢場とん」の場合は野球の酸いも甘いも知っているので、きっといいチームができると思います。
土俵は違えど、是非とも頑張ってほしい。そして土俵は違えど、同じ時期にできたチームなのですから、できることなら一度対戦しても面白いかなと。