2021年05月09日

中国じゃなくとも激怒案件

先日、中国で起こった出来事。
中国で販売されていた牛乳が排水溝に捨てられる動画が上がり、大きな問題になりました。まさか、以前社会問題になったメラニン牛乳がまた出たから捨ててるのか・・・とか思ったら、末恐ろしい理由だったそうで。
実は今回捨てられていた牛乳は、飲料メーカーがあるオーディションを受けたアイドル候補の人気投票に投票できるツールとしての役割を持っていたコラボ商品だったそうで、包装に印刷されたQRコードを読み取って、お気に入りのアイドルに一票入れるシステムなのだそうです。一緒にスクラッチカードも入っているから、もう明らかにそれ目当てで売ってるんじゃないかと思われても不思議じゃない。
で、問題になった動画というのは、とあるファンが大量購入して、業者に廃棄依頼をしていたシーンなのだそうな。いやね、捨てるくらいなら飲め(飲んでもらえ)と。無理なら買うなとも言いたいわ。

この一件、日本でいえば、「仮面ライダースナック」・「ビックリマンチョコ」・「プロ野球(Jリーグ)チップス」で同じようなことが行われていましたからね。あとは食べ物じゃないけど、AKB商法でCDが同じような扱いを受けていたし・・・。

当然ながら、この行為に避難轟々この動画を受けて中国政府も問題視し、当局の制裁もあって、このネット番組の最終回がいまだ流せなくなるという事態にまでなりました。ちなみに、この最終回というのは、例の人気投票の結果発表回だったそうですが、いい気味ですよ(苦笑)。


で、この廃棄牛乳問題が中国でこれほど加熱したのは、今年4月に可決・成立したフードロス法とも言える反食品浪費法の影響もあると思います。
きっかけは、昨年習近平国家主席が食べ物を無駄にしないようにという鶴の一声が発せられたから(それ以前からも、習国家主席は汚職追放運動の際に食べ物の無駄を無くすように提言していました)。この時、中国中部の長江では豪雨が発生し、三峡ダムが決壊するのではないかと言われるほどの猛威を振るいました。この大雨は周辺に大洪水を引き起こし、関東平野の2倍の耕作地に影響を与えたと言われています。この天変地異という面では、中国南部で発生したバッタの被害もありました。
また食料の一部は輸入に頼っておりながらも、昨今の米中問題で危機的状況が生まれるのではないかという危惧もあり、食料自給率の向上と共にフードロスの減少にも躍起になっているわけです。

この法制定によって、食べ残しをした際の処理代の請求が店側からできるようになった他、過剰な注文を促した客も店側も罰則が与えられるとのこと。さらにその煽りで、いわゆる大食い・早食い動画の配信も禁止され、違反した場合も罰則が伴います。実際大食い・早食い動画の中には、本当に食べているように細工したものもあり、食べたふりして近くに置いたポリバケツに捨てるという動画も横行していたため、因果応報・自業自得なわけですけど、法によって飲食の自由さえ縛ってしまう中国という国の恐ろしさよ・・・。


体制のやり方は別にして、フードロスに向き合う姿勢は大事で重要だと思いますし、中国では食べきれないほど食事をもてなすことが是とする習慣が残っているため、その習慣を変えるいいきっかけになるとも思っています。

ちなみに、今回の廃棄牛乳問題は反食品浪費法に違反するという見方もあります。今後、この動画の出た時期によっては、この法律で裁かれる可能性があるので、日本で報じられたら注目したいところです。同時に、食料を輸入に頼っている日本でも他人事だとか対岸の火事だとかで済ませてはいけないことを肝に銘じないといけないでしょう。同じような法律が成立しないためにも・・・。


ありがたみわかり機
ありがたみわかり機



人気ブログランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ  

Posted by alexey_calvanov at 22:01Comments(0)